釜石東中、仮設校舎で最後の卒業式〜唐丹小中とともに4月から新校舎へ
通算5年間を過ごした仮設校舎から巣立った釜石東中卒業生
東日本大震災の津波で校舎が全壊した釜石東中(佐々木賢治校長)で15日、プレハブの仮設校舎で最後となる卒業式が行われた。今月中に新校舎が完成し、4月から授業を始める。
卒業生47人(男子28人、女子19人)を前に佐々木校長は、学校行事や岩手国体の応援などで中心となった健闘をたたえ、「信頼される人間を目指し学び続けてほしい」と式辞。
伊藤千尋さん(2年)の送辞に、卒業生代表の佐々木千芽さん(14)は「多くの支援、教えに感謝する気持ちを行動で示していく。在校生は新校舎でがんばってほしい」と答辞。在校生と合唱で歌声を交換し、学びやに別れを告げた。
卒業生の大半は、震災時には鵜住居小の3年生。校舎3階まで押し寄せた大津波にも、校内にいた児童は避難して全員無事だった。1カ月後の新年度は、高学年が小佐野小、4年生以下は双葉小を間借りして授業を再開。小中同居の仮設校舎に移ったのは12年2月(小)と4月(中)。中学生の全期間を含む5年間を過ごした。
学区内の被災地域では住宅再建が動き始めたが、新校舎への通学はしばらくバスに頼る。
釜石市内の中学校5校では15日までに卒業式が行われ、合わせて280人が9年間の義務教育を修了した。小学校9校では18日までに240人が卒業。それぞれ新しい生活に向け巣立った。
校舎が再建された唐丹小・中、鵜住居小・釜石東中では4月に新校舎の完成記念式典が予定される。
(復興釜石新聞 2017年3月18日発行 第572号より)
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