子連れワーク推進へ 釜石市とLIFULL(東京都)連携協定締結
協定書を手にする野田武則市長とLIFULL地方創生推進部の秋庭麻衣さん
釜石市は未就学児を持つ母親の就労支援を目的に、子連れワークの環境整備で実績のあるLIFULL(ライフル)=井上高志社長、東京都=と連携協定を結んだ。子育てと仕事を両立しながら、スキル取得やキャリアアップを目指すことができる新たな働き方、環境を創出する。
18日、市役所でオンラインによる協定締結式が行われ、市側から野田武則市長ら7人、同社から地方創生推進部の秋庭麻衣さんがリモート出席。野田市長と井上社長が署名した協定書を取り交わした。両者は未就学児を持つ母親が子どもを保育施設に預けなくても仕事ができる体制構築を目指し、▽デジタル人材の育成▽子連れワークが可能なオフィスの整備▽リモートでの受注が可能な業務の掘り起し―などに協力して取り組む。
不動産情報サイトを運営する同社は、空き家バンクによる自治体と移住希望者のマッチング、空き家を活用したワーケーション施設のプロデュースなど、地方創生に貢献する事業を展開。地域課題解決への取り組みの一環で、子育てと仕事を両立させたい母親の支援事業を行う。働きたい母親に登録してもらい、キッズスペース付きのオフィスや在宅でできるWebマーケティング関連の業務を依頼。ライフスタイルに合わせて雇用形態や就業時間を選べる柔軟な働き方を提案する。
釜石市役所で行われたオンラインでの協定締結式
事業を担当する秋庭さんは「コロナ禍もあり、テレワークはかなり進んでいる。釜石が先進的なロールモデルとなって発信していくことが日本全体の活力にもつながっていく」と期待。在宅業務の推進で懸念される孤立化を防ぐため、空き家を活用した子連れオフィスの整備も進め、母親同士のコミュニティー形成を後押ししていく考え。
野田市長は「子育てしながら働きたい方の仕事の場の確保は長年の課題。やっと方向性が見えてきた。これをスタートに沿岸被災地とも連携しながら拡大させていきたい」と意欲を示す。
秋庭さんと連携内容を確認し合う関係部課長ら
事業推進のための地域パートナーとして、ロコフィル(佐藤薫代表社員)も参画する。同市の起業型地域おこし協力隊員として2年前に着任した佐藤代表は、昨年5月に合同会社を設立し、テレワーク普及など働き方改革に関わる事業を行う。「子どもを見ながら在宅ワークをしたいという人は潜在的に多い。LIFULL、市と協力し、母親たちを支援できれば」と意気込む。
釜石市は2017年には、同社と関連会社の三者で「空き家の利活用を通じた地域活性化連携協定」を締結している。
釜石新聞NewS
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