被災地励ます音楽交流、ダンスを楽しく 心通わせる〜コミュニティー再形成の一助に、千葉県の吹奏楽愛好者ら


2020/03/03
復興釜石新聞アーカイブ #地域

「渚のシンドバッド」を振り付きで演奏し、観客を楽しませるメンバー

「渚のシンドバッド」を振り付きで演奏し、観客を楽しませるメンバー

 

 千葉県の吹奏楽愛好者らで結成する「accordien(あこーでぃあん)」(石塚睦未代表、21人)が22日、釜石市の平田集会所で、復興支援の演奏会を開いた。同団体が釜石で演奏するのは、昨年に続き2回目。楽器演奏のほか、手話を交えての合唱、ダンスを取り入れた楽しい企画など盛りだくさんのプログラムで、観客と心を通わせた。

 

 同団体は「東日本大震災の被災地で何かできないか」と考えた石塚代表が、自身の母校・習志野高の同級生らに声を掛け、集まった有志で結成。2016年から岩手、宮城両県で演奏活動を行ってきた。メンバーは当初10人ほどだったが、趣旨に賛同する仲間が増え、現在は21人に。20~28歳の社会人、大学生の女性が参加している。

 

 5年目となる今年は、22~24日までの3連休を利用して全6カ所で公演。釜石市平田地区は初めての訪問となった。

 

 前半は楽器紹介を兼ねて、5つのパートがアンサンブルを披露。「いい日旅立ち」「崖の上のポニョ」、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のオープニングテーマなどで、各楽器の音色の特徴を味わってもらった。後半は冬の演歌(雪国、津軽海峡冬景色など)や昭和の名曲(青い山脈、高校三年生など)をメドレーで楽しませ、来場者も歌声を重ねた。合唱は2曲。「今日もどこかで」(小田和正)は、手話とともに聞かせた。

 

 伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」を再現したコーナーも。5位から1位までランキング形式で懐かしい歌謡曲が演奏され、「さよならはダンスの後に」「渚のシンドバッド」では、歌とともにダンスで盛り上げた。

 

 演奏曲は20曲以上にもなり、観客を巻き込んでのプログラムにたくさんの笑顔が広がった。佐藤美智子さん(72)は「生で聞くのは最高。若い人たちに囲まれてパワーをもらった。昔の歌も一緒に歌って、とても楽しい時間だった」と大喜び。「また来てほしい」と再演を願った。

 

 石塚代表(26)は震災から8年が経過する中で、「微力ながら何らかの力になれればと続けている。演奏会が住民のつながりを生むきっかけとなり、会話が増えるなど、地域コミュニティー再形成の一助になれば。できる限り継続し、思いを届けられたら」と期待を込めた。

 

 団体名はフランス語のaccord(音、和音)とlien(つながり)を意味し、「音楽でたくさんの人とつながりたい」という思いが込められている。

 

 今回は釜石市のほか、陸前高田市、宮城県気仙沼市、南三陸町、女川町、石巻市を訪問した。

 

(復興釜石新聞 2020年2月26日発行 第870号より)

 

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