釜石市民体育館 こけら落とし、岩手ビッグブルズ 勝利で飾る〜釜石出身 澤口選手 貢献、今季初の10連勝に沸く


2019/12/23
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

新しい体育館で熱い試合を見せたビッグブルズ(赤)

新しい体育館で熱い試合を見せたビッグブルズ(赤)

 

 1日に一般利用を開始した釜石市鵜住居町の市民体育館で14、15の両日、“こけら落とし”となる日本プロバスケットボール男子Bリーグ3部(B3)の公式試合が行われた。盛岡市に拠点を置く「岩手ビッグブルズ」のホームゲームで、石川県の金沢武士団(かなざわサムライズ)を相手に2連勝。津波被災地に新設された新たなスポーツ拠点のオープンを鮮やかな勝利で飾り、チームも今季初の10連勝に沸いた。

 

 14日は午後2時の試合開始を前に、釜石商工高虎舞委員会がオープニングパフォーマンス。野田武則釜石市長が歓迎のあいさつをした。会場には常設の2階観客席のほか、コートを囲む1階席も設けられ、市内外から訪れた1117人が観戦を楽しんだ。

 

 試合は3点シュートや速攻、リバウンドなどで着実に得点を重ねるブルズが終始リード。地元ファンの熱い声援も後押しし、今季最高の108得点で金沢(68点)を下した。

 

 試合ではブルズの専属チアが多彩なパフォーマンスを披露。ハーフタイムにはラグビーの釜石シーウェイブスRFCの選手らが、ラインアウトやタックルのプレー体験で子どもらを喜ばせた。

 

ハーフタイムに行われたラグビー体験も人気

ハーフタイムに行われたラグビー体験も人気

 

 平田ミニバス少年団の団員はゴール近くの1階席で観戦。阿部愛華さん、山﨑玲來さん、田畑愛羽さん(いずれも平田小5年)は「テレビと違い、生で見るダンク(シュート)は迫力満点。こんな近くで観戦したのは初めて。自分たちもここで試合をやってみたい」と大喜び。

 

 虎舞を披露した植田麗緒奈さん(釜石商工高1年)は「こけら落としに参加できてうれしい。バスケ部なので、プロの試合は一つ一つのプレーが勉強になる」と感激。新しい体育館の完成に「自分たちもスポーツで釜石を盛り上げられたらいいな」と話した。

 

 遠野市の多田剛さん(31)は家族で観戦。「明るくてきれいな体育館。先週、息子がここでバスケの試合をする予定だったが、インフルエンザの流行でお預けとなった」。息子の蒼人君(宮守小5年)は、ブルズが開く週1回のバスケスクールに通っていて、教わっている澤口誠選手(釜石市出身)は憧れの存在。「今日は100点超えですごかった。僕も澤口選手みたいに点を取れるようになりたい」と目標を掲げた。

 

果敢なプレーで観客を沸かせた澤口誠選手。釜石市民も大興奮

果敢なプレーで観客を沸かせた澤口誠選手。釜石市民も大興奮

 

 震災があった2011年にプロリーグ入りしたブルズは、試合やボランティア活動で被災者に力を与えてきた。今回の試合も選手それぞれが特別な思いを持って臨んだ。

 

 澤口選手(28)は地元釜石での試合は中学校以来。同級生には震災で家を失った友人もいる。甚大な被害があったこの場所で試合をし、勝利を届けられたことに「地元の人たちも勇気づけられたのではないか。スポーツできる環境がやっと整った。プロ選手を呼んだり、どんどんスポーツに関わってほしい」と願った。

 

 ブルズは次節(21、22日)、所沢市民体育館で埼玉ブロンコスと対戦する。

 

(復興釜石新聞 2019年12月18日発行 第851号より)

 

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