省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

岩手缶詰 新工場稼動、30年ぶり 釜石に拠点〜水産業復興加速に期待

岩手缶詰の新工場

浜町に完成し、見学会が行われた岩手缶詰の新工場

 

 釜石市に本社を置く岩手缶詰(石田昭光社長)の新工場が浜町2丁目に完成し、21日、関係者による見学会が行われた。新工場は市が公募した水産業復興支援事業の第1号で、同社が地元釜石に製造拠点を構えるのは30年ぶり。人手確保が難航し、当面は40人程度の従業員で操業を始めるが、最終的には100人規模の雇用を見込む。今秋には隣接地に新魚市場も完成する予定で、市は「魚市場の後背地に整備する水産加工団地のモデルに」と期待する。

 

 新工場は鉄骨造り2階建てで床面積は約4700平方メートル。主にサバやサンマなどの缶詰を製造する。製造ラインは3つあるが、当面は1ラインで稼働。初年度の年間生産額は10億3千万円を見込み、将来的には約20億円を目指す。

 

 津波浸水地にある約9700平方メートルの敷地は市が買い上げた上、1メートル程度かさ上げした。建物や機械などの投資額は約24億7千万円。水産協同利用施設復興整備事業の採択を受け、国と市が8分の7を補助した。用地の一角にあった本社は取り壊し、駐車場として活用。新工場はすでに3月28日から稼働を始めている。

 

 同社は1941年に設立。釜石市嬉石町に創業以来の工場があったが、86年に閉鎖した。震災では大船渡市の2工場が全壊。釜石の本社も3階まで浸水した。両工場は2013年に統合し再建。現在は盛岡市や宮古市など県内5工場で缶詰のほか冷凍食品、ゼリー、ジュース、ワインなどを製造している。

 

 見学会には約100人が参加し、省力化・自動化が進んだ最新の製造ラインを視察。大町のホテルサンルート釜石に会場を移し、竣工(しゅんこう)祝賀会が開かれた。

 

省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

 

 石田社長は「人手不足が課題だが、周囲に復興公営住宅が完成すれば働く人も集まるのではないか」と期待。「地元の水産物を生かした新製品の開発にも力を入れたい」と意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2016年4月20日発行 第480号より)

復興釜石新聞

復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)

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平田第6仮設団地自治会のメンバー

テーマは「心磨き」 交流のパネル展示、釜石市ー東海市 絆結ぶ

平田第6仮設団地自治会のメンバー

加木屋中美術部員と共同制作した作品を前に笑顔を見せる平田第6仮設団地自治会のメンバー

 

 釜石市と姉妹都市の愛知県東海市との絆を結ぶ作品が、平田第6仮設団地内にある平田パークホールに展示されている。点描のピースを組み合わせたパネル作品で、東海市立加木屋中の美術部と同団地住民との共同制作。同団地自治会の森谷勲会長は「両市の友情と絆を感じる作品。この結びつきを長く大切にしていきたい。その思いを多くの人にも感じてもらう機会にもなれば」と、団地があり続ける間の掲示を決めた。

 

 同校と釜石市との交流活動は、東海市が推進する「輝く学校づくり事業」の一環として2013年度から始まった。「心磨き、釜石との交流」をテーマに、1年目は被災地見学と住民の聞き取り調査を実施。2年目は吹奏楽部の生徒が同団地で演奏会を開いた。昨年は、7月に美術部員6人が訪れ、住民と一緒にパネルの制作に取り組みながら交流。作品は部員が持ち帰って仕上げ、額に収めて東海市で公開した後、今年3月に同団地に贈られた。

 

 パネル作品は「絆」と題し、大きさは縦105センチ、横75センチ。東海市の花ランと釜石市の花ハマユリや海をモチーフに、力強く握手する手で両市民の絆を象徴的に表している。ポスターカラーと綿棒を使って点描技法で彩色した70片のピースを張り合わせて作製。同団地からは住民20人が参加した。

 

 森谷会長は「住民は、孫のような子たちに手を取ってもらったり、声をかけてもらうのがうれしい」と中学生との交流を振り返った。同自治会の菊池隆事務局長は「付き合いを継続してくれているところは少ない」としみじみ。佐々木新治副会長は「気にかけてくれている人がいるのがありがたい。気持ち良く受けとり、思ってくれていることへの感謝の気持ちをなくさないようにしていかないといけないね」と作品を見つめた。

 

 この作品と一緒に同校の生徒から手紙と絵はがき32点も届いた。花や街の風景を描き、「少しでも笑顔になるように」「復興が今以上に進むようにと願いを込めて」などとメッセージが添えられている。住民との交流に「たくさんの知識と元気をもらった。一生忘れられない思い出になりました」とつづられた手紙も。現在、作品とともに展示されている。

 

(復興釜石新聞 2016年4月20日発行 第480号より)

 

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中の沢メガソーラー発電所の完成予想図

遊休地を有効活用〜日鉄鉱業 鉱滓堆積場で太陽光発電、甲子町大橋で起工式

ソーラー発電所が建設される中の沢堆積場

ソーラー発電所が建設される中の沢堆積場

 

 日鉄鉱業(本社東京、佐藤公生社長)は15日、釜石市甲子町大橋の「中の沢堆積場」に整備する太陽光発電所の起工式を行った。旧釜石鉱山事務所の北側にある同堆積場は約17万平方メートルの広大な平地で、モトクロスコースとして使用されたこともあるが、現在は遊休地となっている。発電所は今年12月の稼働開始を目指す。

 

中の沢メガソーラー発電所の完成予想図

中の沢メガソーラー発電所の完成予想図

 

 施設名は「釜石中の沢メガソーラー発電所」。堆積場のうち約5万平方メートルを発電所の敷地に充て、9240枚の太陽光発電パネルと付属設備を建設する。最大出力は1990キロワットで、一般家庭約500世帯の電力をまかなう発電能力を持つ。工事はNSテックスエンジ(本社東京、升光法行社長)が請け負う。

 

 起工式には関係者35人が参加し、神事で工事の安全と事業の成功を祈った。佐藤社長は「東日本大震災から5年。釜石市は力強く復興の歩みを進めている。この事業が災害に強いまちづくりに役立ち、地域のエネルギー安定供給につながるよう願う」とあいさつした。

 

起工式でくわ入れする佐藤社長

起工式でくわ入れする佐藤社長

 

 日鉄鉱業は遊休地の有効活用策として国内各地にメガソーラーの建設を進めている。釜石市内では、15年1月から稼働を始めた甲子町大松地区に次いで2カ所目の施設。全国では7カ所目になる。発電規模はほとんど同じという。

 

 市内の大規模太陽光発電施設は、建設工事が進む楢ノ木平を含め3カ所目。

 

 中の沢堆積場は1955年から71年まで、釜石鉱山の鉱滓(さい)を集積。旧釜石鉱山事務所の北側に位置し、高さは約120メートルにも及ぶ。広大で人里離れた立地を生かし、モトクロスコースへの転用が検討されたこともある。安全管理の面で、一般の立ち入りは制限されている。

 

(復興釜石新聞 2016年4月20日発行 第480号より)

 

釜石市

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