てっぱん映画祭 9作品上映、心豊かな時間共有〜永瀬正敏さん 役作り明かす

2016/09/05|カテゴリー:復興釜石新聞 文化・教育

永瀬さん出演の「あん」を鑑賞後、トークショーを楽しんだ観客

永瀬さん出演の「あん」を鑑賞後、トークショーを楽しんだ観客

 

 「釜石てっぱん映画祭」(同実行委主催)が26から28日まで、釜石市大町の情報交流センター釜石PITで開かれた。映画を通じた心の復興、交流促進、地域活性化などを目指す釜石初の試み。3日間で9作品が上映され、延べ約430人が鑑賞。映画館が無くなって久しい釜石のまちに、映画の感動を共有する心豊かなひとときがよみがえった。

 

 同映画祭は「市民が選ぶ”てっぱん映画”の上映」をコンセプトに、映画好きの釜石市民14人が推薦した一押し作品の中から見たい映画(1人3作品)を選んでもらう市民投票で、上映作品を決定。488人が票を寄せ、上位の6作品(「最高の人生の見つけ方」「かもめ食堂」「ミニオンズ」「ひまわり」「フラガール」「はじまりのうた」)が選ばれた。これに実行委推薦の3作品(「台風クラブ」「あん」「我が人生最悪の時」)を加え9作品を上映した。

 

 28日の「あん」「我が人生最悪の時」の上映後には、両作品に出演する俳優、永瀬正敏さんがゲストで登場した。ハンセン病の元患者と罪を犯した過去を持つどら焼き職人との交わりを描いた「あん」で、どら焼き職人・千太郎を演じた永瀬さん。河瀬直美監督が求める千太郎になるために、撮影に使われたマンションに住み、撮影時以外もどら焼きを焼いて接客をする生活を送っていたことを明かした。

 

出演映画の撮影秘話や役柄について語る俳優、永瀬正敏さん

出演映画の撮影秘話や役柄について語る俳優、永瀬正敏さん

 

 大槌町の綿澤孝枝さん(44)は「(元患者役の)樹木希林さんの演技、永瀬さんの存在感が光る。前回見た時とまた違ったシーンが印象に残った」と2回目の鑑賞を喜んだ。

 

 震災で被災した大槌町のファンから届いたメールを心に刻み、「いつかこの町で映画を撮ってほしい」という願いに応えた永瀬さん。震災直後には釜石も訪れており、この5年間、被災地への深い思いを抱き続けてきた。トークショーの最後には「またここで上映していただけるような作品に出て、皆さんと一緒に見られれば」と気持ちを込めた。

 

 魅力的な企画を織り交ぜた同映画祭。来場者はお目当ての作品を大スクリーンで堪能し、明日への力を得た。中妻町のみなし仮設で暮らす女性(55)は「見たかった作品を安い料金で鑑賞できた。スクリーンで映画が見られるイベントが今後もあれば」と願った。

 

 平松伸一郎実行委員長は「こういう場が求められている感じがした。映画を見ることが釜石の人たちの生活に溶け込んでもらえたら。映画祭はそのきっかけ。年に1回開催していければ」と釜石の映画文化再生に意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2016年8月31日発行 第516号より)

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