釜石勢そろって県大会へ〜春季高校野球 沿岸南予選


2016/05/18
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

敗者復活代表決定戦の再試合で、やっと県大会切符をつかんだ釜石高ナイン

敗者復活代表決定戦の再試合で、やっと県大会切符をつかんだ釜石高ナイン

 

 第63回春季東北地区高校野球県大会沿岸南地区予選は3日から8日まで釜石市の平田公園野球場と住田町総合運動公園球場で行われ、センバツ出場の釜石と釜石商工の釜石勢2校はそろって県大会切符をつかんだ。釜石は1回戦で釜石商工に2―4で敗れたものの、敗者復活戦を勝ち上がり、大槌との代表決定戦へ。3―3で延長十五回引き分け再試合となったが、8日の再試合では16安打の猛攻で七回コールド勝ちし、2年連続11度目の県大会出場を決めた。釜石商工は大船渡を7―4で下して2年連続6度目の県大会出場を決めたものの、7日に行われた第1、第2代表決定戦では高田に2―3で惜しくも敗れ課題を残した。県大会は今月20日から一関市などで行われる。

 

釜石 打順変え打ち勝つ 佐々木尚 気力の粘投、最後まで

 

▽敗者復活代表決定戦
大槌
 1010200 4
 231114× 12
釜石
(七回コールド)

 

(大)藤原勇、谷地聖、台―小林将
(釜)佐々木尚―大尻
▽三塁打 大尻(釜)
▽二塁打 小林将(大)奥村、菊池勇2、石崎、新沼(釜)

 

 釜石の猛打爆発。16安打を浴びせる毎回得点で、粘る大槌を突き放した。1回戦で釜石商工に敗れ、周囲をやきもきさせたが、敗者復活代表決定戦も再試合でやっと県大会進出を決め、センバツ出場校の面目を保った。

 

 打順変更が当たった。一回、3番大尻、4番新沼の連打で1点を先制したあと、4番から7番に下げた菊池勇の中前適時打で1点を追加。二回には1番奥村、2番岡道の連打のあと、大尻の左中間を抜ける三塁打で2点。続く新沼も中前に弾き返し、さらに1点を加えた。三、四、五回にも1点ずつ重ね、六回には6番佐々木航から3連打で1点。奥村、大尻の安打などでさらに3点を加えた。

 

 投げては、地区予選1回戦から一人でマウンドに立ち続ける佐々木尚人が粘りのピッチング。先頭打者に安打を浴びるなど一、三回に1点ずつ失い、五回にも2点を許したものの、要所要所を抑え、最後まで投げ切った。

 

 「尚人が最後まで投げ抜いてくれたことが一番の収穫。打たれはしたが、要所をよく抑えてくれた」。佐々木偉彦監督は、佐々木尚の粘投をたたえた。引き分け再試合となった前日は201球。それでも志願したこの日は、チェンジアップを効果的に混ぜ、七回コールドながら97球を気力で投げ切った。

 

前日は201球、再試合では97球を気力で投げ抜いた佐々木尚人

前日は201球、再試合では97球を気力で投げ抜いた佐々木尚人

 

 センバツ出場の立役者となった岩間大の状態について、佐々木監督は「投げられないわけではない」というものの、甲子園の疲れを考慮して温存。今大会は佐々木尚に背番号「1」を与えた。

 

 3安打で佐々木投手を助けた捕手の大尻は「打たれても弱気にならず、ずっと攻め続けた」と手ごたえを話す。ピンチになると伝令でマウンドに走った菊池智哉主将は「夏は投手2人でいけば大丈夫」と笑顔を見せた。

 

釜石商工 高田に敗れ第2代表に 継投実らず 勝敗分けた投手力

 

▽第1、第2代表決定戦
高田
 002000100 3
 010000010 2
釜石商工

 

(高)千田―村上諒
(釜)中村、鈴木孝、山崎―菊池健
▽二塁打 村上諒(高)

 

 釜石商工は接戦を落とし、目標としていた第1代表の座を奪えなかった。

 

 二回、小林の右前適時打で1点を先制。しかし三回、先発の主戦中村が高田の強力打線につかまる。上位打線に3安打を浴び2失点。早々と継投したサイドスローの鈴木孝が好投したものの、七回2死から安打、死球、安打と乱れ、1点を追加される。八回には鎌田の中前適時打で1点差に迫ったが、反撃もここまでだった。

 

高田に敗れたものの、第2代表で県大会への出場を決めた釜石商工ナイン

高田に敗れたものの、第2代表で県大会への出場を決めた釜石商工ナイン

 

 「こんなチームでは県大会で勝てるわけがない。ちゃんと練習しよう」。昨年春から指揮を執る久保田達也監督は選手に厳しく言い放った。

 

 昨秋地区予選第1代表の高田の壁は厚かった。勝敗を分けたのは投手力の差。「継投した鈴木はよく投げてくれたが、高田の投手陣は完成度が高い。県大会でこのレベルの投手を打ち崩せないと、夏はとても勝ち進めない」と久保田監督。

 

 1回戦ではセンバツ出場の釜石を4―2で下し、ライバル校としての意地を見せた。「自分たちもやればできるかも、と勇気を与えてくれた。釜石高への感謝の思いは、うちの選手も同じ」と久保田監督。

 

 菊池勇之介主将は「昨年秋の地区予選敗者復活戦で釜石に敗れたことをバネに、ここまでやってきた。きょうは打てなかったが、県大会では”商工野球”ができるよう、意識を高く持って練習に励みたい」と前を向く。

 

(復興釜石新聞 2016年5月11日発行 第485号より)

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