岩手缶詰 新工場稼動、30年ぶり 釜石に拠点〜水産業復興加速に期待

2016/05/02|カテゴリー:復興釜石新聞 産業・経済

岩手缶詰の新工場

浜町に完成し、見学会が行われた岩手缶詰の新工場

 

 釜石市に本社を置く岩手缶詰(石田昭光社長)の新工場が浜町2丁目に完成し、21日、関係者による見学会が行われた。新工場は市が公募した水産業復興支援事業の第1号で、同社が地元釜石に製造拠点を構えるのは30年ぶり。人手確保が難航し、当面は40人程度の従業員で操業を始めるが、最終的には100人規模の雇用を見込む。今秋には隣接地に新魚市場も完成する予定で、市は「魚市場の後背地に整備する水産加工団地のモデルに」と期待する。

 

 新工場は鉄骨造り2階建てで床面積は約4700平方メートル。主にサバやサンマなどの缶詰を製造する。製造ラインは3つあるが、当面は1ラインで稼働。初年度の年間生産額は10億3千万円を見込み、将来的には約20億円を目指す。

 

 津波浸水地にある約9700平方メートルの敷地は市が買い上げた上、1メートル程度かさ上げした。建物や機械などの投資額は約24億7千万円。水産協同利用施設復興整備事業の採択を受け、国と市が8分の7を補助した。用地の一角にあった本社は取り壊し、駐車場として活用。新工場はすでに3月28日から稼働を始めている。

 

 同社は1941年に設立。釜石市嬉石町に創業以来の工場があったが、86年に閉鎖した。震災では大船渡市の2工場が全壊。釜石の本社も3階まで浸水した。両工場は2013年に統合し再建。現在は盛岡市や宮古市など県内5工場で缶詰のほか冷凍食品、ゼリー、ジュース、ワインなどを製造している。

 

 見学会には約100人が参加し、省力化・自動化が進んだ最新の製造ラインを視察。大町のホテルサンルート釜石に会場を移し、竣工(しゅんこう)祝賀会が開かれた。

 

省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

省力化、自動化が進んだ最新の製造ライン

 

 石田社長は「人手不足が課題だが、周囲に復興公営住宅が完成すれば働く人も集まるのではないか」と期待。「地元の水産物を生かした新製品の開発にも力を入れたい」と意欲を示した。

 

(復興釜石新聞 2016年4月20日発行 第480号より)

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