脳卒中予防へ「減塩隊」活動開始〜啓発へ事業所訪問、食生活見直し呼びかける〜脳血管疾患死亡率 本県は全国ワースト

2016/02/04|カテゴリー:復興釜石新聞 医療・健康

釜石市減塩隊

脳卒中の死亡率が県平均より高率となっている釜石地域で予防を呼びかけようと「釜石市減塩隊」が発足。毎月28日に啓発活動を展開する

 

 脳卒中の死亡率全国ワーストを返上しようと県が定めた「いわて減塩・適塩の日」(毎月28日)にちなみ、釜石市民に脳卒中予防、減塩の必要性を啓発する「減援隊」が28日、発足した。1回目の活動として市内の事業所を訪問。隊員が減塩のポイントを知らせるチラシやティッシュを配り、脳卒中を防ぐ積極的な取り組みや食習慣の見直しを呼びかけた。

 

 鵜住居町の鵜住居地区生活応援センター前で減塩隊の結団式を行ったあと、近くにある事業所2カ所を訪問。食品製造業の津田商店(津田保之社長、従業員約170人)では、川崎浩一隊長(釜石医師会事務長)が「自分のため、家族のためにもぜひ今日から減塩の取り組みをお願いする」と呼びかけ。職場で活用してもらうためのポスターや卓上のぼり、啓発物品を従業員に配った=写真。

 

釜石市減塩隊

 

 従業員らからは「(昼食では)手作りの漬物を持ち寄ったりしてたくさん食べているけど、食べる量を減らさないとね」などの声も。同社総務部の平内浩史課長は「ここで働いている人は一家の大黒柱。長生き、長く働いてもらえるよう、塩分に気を付けてもらう取り組みを企業としても進めたい」と話した。

 

 隊員の藤原政子さん(市母子保健推進員代表)は「自分や家族の健康を守る責任があり、塩分には気を付けている。橋野町で農家レストランと菓子工房を経営しており、食塩に頼らない味付けの料理を提供することを心掛けている。これまでの取り組みを減塩隊の活動でも生かしていければ」と活動に励んだ。

 

 減塩隊は8人の隊員と、7つの協力団体の会員や職員らで組織。事務局の市健康推進課では「現状を知って、減塩を意識してもらいたい。減塩の必要性を広く啓発する活動の起爆剤になれば」と期待する。

 

 2月は市内の商業施設で啓発活動を行い、3月はキャラバンカーで市内各地を回り広く呼びかける活動を予定。2月21日には脳卒中予防講演会を開くことにしている。

 

 厚生労働省の2010年の調査で、県内の脳血管疾患(脳卒中)の年齢調整死亡率(年齢構成で補正、人口10万人当たり)は、男性が70・1人(全国平均49・5人)、女性が37・1人(同26・9人)でともに全国ワースト。その中でも釜石地域は脳卒中による死亡率が極めて高いという。

 

 脳卒中の大きな原因は高血圧。高血圧の原因は塩分の取り過ぎや喫煙などさまざまだが、本県は一日当たりの塩分摂取量が全国最多。厚労省の12年の調査では、男性が12・9グラム、女性が11・1グラムでともに全国ワーストだった。

 

 冬場に野菜を食べるために保存食として作る漬物、魚の干物、塩辛などを好む家庭も多いといった風土や伝統的な食習慣、加工食品の摂取、外食が一般的となっていることなどが塩分の取り過ぎの原因と考えられるが、効果ある減塩対策を進めるためには個人や各世帯の努力では困難な状況となっている。

 

 このことから市は、新たに1月から3月までを「市減塩取り組み強化期間」とし、栄養士会や食生活改善推進員協議会、保健所など関係団体と連携して減塩隊を結成。減塩・適塩の日に合わせ、集中的に啓発活動を行うことにした。

 

(復興釜石新聞 2016年1月30日発行 第457号より)

 

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