三陸道「吉浜道路」開通 復興加速に期待、釜石ー大船渡 距離縮む

2015/12/10|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

テープカットし吉浜道路の開通を祝った式

テープカットし吉浜道路の開通を祝った式典。地元住民や三陸道沿線市町の関係者が喜びに包まれた

 

 東日本大震災の「復興道路」として国が整備を進める三陸沿岸道路の一部、大船渡市三陸町越喜来から吉浜を結ぶ「吉浜道路」(3・6キロ)が11月29日に開通した。これまで利用されてきた急カーブ、急勾配が続く国道45号に比べ約6分の走行時間短縮が見込まれ、安全な通行とともに医療、物流、観光など復興を後押しする多方面での整備効果が期待される。開通式典に出席した釜石市の野田武則市長は「釜石と大船渡の連携が一層強まり、次の吉浜釜石道路につながる非常に大きな一歩。道路整備は地域経済の活性化、特にも震災で大きなダメージを受けた三陸にとっては欠かすことができないもの。引き続きの加速をお願いしたい」と期待を込める。

 

 午後3時の一般車両通行開始を前に、午前10時から吉浜地区で開通式典が行われた。石井啓一国土交通大臣が「吉浜道路は安全、安心な命の道として沿岸地域の再生と振興に大きく寄与するものと期待される。復興まちづくりの希望の光になるよう、一日も早い全線の完成に向け最大限の努力をしていく」とあいさつ。達増拓也県知事、戸田公明大船渡市長が完成までの経過を紹介し、整備による地域への波及効果に大きな期待感を示した。テープカットや地元地権者の親子三代渡り初め、車両パレードが行われ、出席者約300人が念願の開通を盛大に祝った。

 

 同道路は片側1車線の自動車専用道路。越喜来高架橋(584メートル)、吉浜トンネル(1644メートル)、吉浜高架橋(373メートル)と3つの構造物が区間内の約7割を占める。越喜来側はすでに供用されている「大船渡三陸道路」に、吉浜側は2018年度完成予定の「吉浜釜石道路」につながる。三陸、吉浜両インターチェンジ(IC)で国道45号と結節する。今回の開通で大船渡市内すべてのICが完成し、本県南部は陸前高田市竹駒町から大船渡市三陸町までの28・7キロ区間が通行可能となった。

 

 吉浜道路と並行する45号区間は交通の難所とされる羅生峠があり、正面衝突などの事故も多い。今回の開通で、峠越えの回避による重大事故の削減、迅速で安定した救急搬送、海産物輸送の鮮度保持―など生活や産業の質向上に期待が高まる。

 

 県沿岸南部の高度救命救急、周産期医療を担う県立大船渡病院の伊藤達朗院長は「救急、ハイリスク分娩患者の搬送時間の短縮で早期治療、救命率向上が期待でき、患者負担も軽減される。高規格道路は医療資源の少ない沿岸部にとって貴重なインフラ」と歓迎。釜石ロード女性の会の岩切久仁会長は「うれしいですね。(大船渡)病院も近くなるし、これが早く釜石までつながればと切に願う。道路は人の往来を生む。都会からも(地方に)どんどん訪れるようになるのでは」と明るい未来を描いた。

 

(復興釜石新聞 2015年12月2日発行 第441号より)

 

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