全勝対決 釜石が制す、トップチャレンジへ大きく前進 東京ガスに23-10〜粘りのタックル 展開ラグビー封じる


2015/11/25
復興釜石新聞アーカイブ #スポーツ

釜石のフランカー千布亮輔

前半2分、釜石のフランカー千布亮輔が中央に先制トライを決める=14日、盛岡南公園球技場

 

 社会人ラグビー地域リーグ、トップイーストの釜石シーウェイブス(SW)RFCは14日、盛岡市の盛岡南公園球技場で東京ガスと対戦、23―10(前半20―3)で下し、開幕から負けなしの7連勝とした。釜石は前半、フランカー千布亮輔のトライで先制。12分にはFB沼田邦光が自陣からインターセプトで独走トライを決め、36分にも沼田がトライ。風下に回った後半はノートライに終わったが、堅い守りで東京ガスの反撃を1トライに止め、逃げ切った。全勝対決を制した釜石は勝ち点を33に伸ばし、東京ガスを抜いて2位に浮上。あと2試合を残し、トップリーグ昇格につながるトップチャレンジ(2位以内)進出に大きく前進した。

 

 ディフェンスの勝利だった。「フィジカルで上回り、相手にボールを出させなかった」。難敵・東京ガスとの全勝対決を制した三浦健博ヘッドコーチ(HC)は、こう言ってFW陣の健闘をたたえた。

 

 スピーディーな展開ラグビーを得意とする東京ガスを終盤の1トライだけに抑えた。勝因となったのは、2人掛かりで相手のボールを殺す「ロックタックル」。1人が足に、2人目は相手の上体に抱き付き、ボールを出させない。しつこいディフェンスから再三、相手のボールを奪い返した。

 

 小雨模様でパスを回しづらい、東京ガスにとって不利な条件も重なった。「それ以上に風の影響が大きかった」と三浦HC。風下に回った後半はノートライに終わり、応援スタンドはいま一つ盛り上がらない試合内容となったが、奥の深いFWの攻防は見応えがあった。

 

 前半36分には、敵陣でのスクラムをぐいと押し込んだ後、左へ大きく飛ばしパス。WTB小野航大から左端にいた沼田へと渡り、「自分は(インゴールに)ボールを置くだけ」(沼田)という会心のトライにつなげた。

 

 「FWがあんだけ前へ出てくれたらバックスは楽」と沼田。ナンバー8須田康夫主将は「コンタクトエリアは僕らの勝ち」と胸を張った。今季初めて司令塔SOで先発した井上益基也は「縦にフィジカルで勝負しよう」と考えたゲームプランが的中したものの、「後半はエリアを挽回できなかった。もっと敵陣でプレーし、FWの強みを出せるようにしないと」と反省も忘れない。

 

 次戦は28日、神奈川県の相模原ギオンスタジアムで栗田工業と対戦する。これに勝利し、東京ガスが三菱重工相模原に敗れると、釜石の2位以内が確定する。

 

 2つのトライを決めたベテラン、FB沼田邦光(33)は「調子いいです。楽しいです」と笑顔をのぞかせた。中でも1つ目は自陣22メートル付近で相手ボールをインターセプト、タッチライン沿いに約80メートルを走り切った見事なトライ。「久しぶりに走りましたね」と、おどけて見せた。

 

独走トライを決める沼田邦光

インターセプトから約80メートルの独走トライを決める沼田邦光

 

 関西リーグのNTTドコモから移籍して3年目。1年目の6月に左膝を傷め、ようやく戦列に復帰したのは昨季の終盤になってから。けがも完全に治り、今季はリーグ戦で先発を続ける。

 

 負傷退場したキッカーに代わって逆転PGを決めた前節の日野自動車戦に続く殊勲となったが、「これまでのブランクを取り戻すには、まだまだ」。悲願のトップリーグ昇格へ向け、さらなる貢献を誓う。

 

(復興釜石新聞 2015年11月18日発行 第437号より)

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