素晴らしき柔道 子どもらに伝授〜五輪メダリストら熱心指導

2015/09/29|カテゴリー:復興釜石新聞 スポーツ

「釜石線ゲーム」を楽しむ子どもたちと西山将士さん

人の背で作った線路の上を腹ばいになって進む「釜石線ゲーム」を楽しむ子どもたちと西山将士さん

 

 オリンピックなど世界の舞台で活躍する現役選手や指導者を招いた「少年柔道教室」が20日、釜石中体育館で開かれた。公益財団法人全日本柔道連盟(全柔連)が7月に「全国少年柔道協議会」(少柔協)を設立したことを機に、今年度、全国で実施を予定する少年教室の一環。県柔道連盟が主催し、県内各地の道場やスポ少15団体から小学生を中心に約150人が参加した。

 

 少柔協は人間教育を重んじる柔道の素晴らしさを知ってもらい、少年柔道の普及・振興につなげようと設立され、少年教室は本県が4カ所目。東日本大震災で被災した福島、宮城、岩手の3県では復興支援の意味合いも込めた。釜石市での教室は、全柔連の宗岡正二会長(新日鉄住金会長)が強く推して実現した。

 

 講師は2012年ロンドン五輪90キロ級で銅メダルを獲得し、現役で活躍する西山将士さん(30)、1992年バルセロナ五輪52キロ級銀メダリストの溝口紀子さん(44)、95年世界柔道選手権95キロ級3位の岡泉茂さん(47)。溝口、岡泉さんは全柔連評議員を務め、指導者として後進の育成に力を注ぐ。

 

 溝口さんが主導し準備運動からスタート。入念なストレッチや各技に必要な動きを取り入れたトレーニング、ゲームなどで楽しく体をほぐした。12年の五輪後、釜石の仮設住宅で被災者を元気づけ、今回は豪快な技で子どもたちを喜ばせた西山さんは「みんな元気いっぱいだが、少し体力が落ちている感じも。今日は礼節とか基本だけを覚え、楽しんでほしい。柔道を好きだなって思ってもらえたら」と熱心に子どもたちの相手をした。

 

 後半は基本的な練習、技の指導が行われた。岡泉さんは「柔道の技をつくるには、数多く正確に打ち込みをすることが大事」とし、技を受ける側の姿勢やかける側の意識するポイントを教えた。最後は、子どもたちが五輪メダルに触れさせてもらうなど有意義な時間となった。

 

溝口さん(右)、西山さんから五輪メダルを見せてもらう子ども

溝口さん(右)、西山さんから五輪メダルを見せてもらう子ども

 

 溝口さんは講評で、試合のピンチを救う言葉として「あせらない」「あわてない」「あきらめない」の3つの「あ」を伝授し、子どもたちを激励。参加者を代表し釜石柔道スポ少の佐々木ここみさん(双葉小4年)がお礼の言葉を述べた。

 

 大久保道場(釜石)の及川弘倫君(小佐野小6年)は「柔道の技の広さを教わり手本の技も見せてもらえ、貴重な体験だった。いろいろな経験を積んで、五輪のような大きな試合に出たい」と将来に夢を膨らませた。同道場の指導者、大久保幸徳さん(33)は「みんな教室を心待ちにしていた。普段やっていないトレーニングも楽しくやらせてもらい、指導する側も勉強になった。教わったことを繰り返し、今後につなげたい」と感謝した。

 

 釜石市柔道協会の今五郎会長(県連盟副会長)は「市内の少年柔道の競技人口は、少子化などもあり減少している。このような教室を機に柔道に親しむ子どもが増えてくれれば幸い」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2015年9月23日発行 第421号より)

 

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