支援物資届け4年余 100回〜栃木の「飛行船」プロジェクト、仮設住民らと交流

2015/09/04|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

交流を深めた飛行船支援プロジェクトの関係者、釜石市民ら

交流を深めた飛行船支援プロジェクトの関係者、釜石市民ら

 

 震災直後から釜石市や大槌町の仮設団地などに支援物資を届け続けている栃木県鹿沼市のリサイクルショップ「飛行船」(桶田正信社長)の被災地支援プロジェクトが26日、100回目を迎えた。27日は仮設住宅の住民、同プロジェクトに協力する栃木県内の支援者らが顔を合わせる交流会を、桜木町仮設団地に隣接する市民弓道場で開催。知り合いを通じて釜石から届いた「SOS」をきっかけに、生鮮食料品や日用品など物資を届けて4年余りになる桶田社長は「10年間は続けると始めたこと。最後までやり通す」と決意を新たにした。

 

 100便目の支援物資は同社の農園で収穫された野菜、栃木県内外の支援者から提供された食料品や日用品など。長男の博信専務(36)らがワゴン車いっぱいに積み込み、約7時間かけて釜石に到着。釜石、大槌の仮設住宅など15カ所へ、約200世帯分の物資を届けた。

 

 交流会には桜木町仮設団地の住民のほか、箱崎町や松原町の在宅被災者、現地ボランティアとして協力する釜石市民ら約40人が参加。桶田社長ら同社スタッフ、栃木県内外から訪れた支援者ら約60人に感謝の思いを伝えた。

 

 桜木町仮設団地への支援は1年半ほど前に始まった。最大約110世帯あったが、現在は約45世帯。山本理悦子自治会長は「みんなにこにこしているが、心には深い傷が残っている。震災で被災し、暗闇に放り込まれたようだったが、見ていてくれる人がいて、変わらず届く心、気持ちを寄せてもらい、被災者だが幸せ者」と話した。

 

 同団地から上中島町の復興住宅へ移った大和田泰佑さんは「住民は毎月届くのを楽しみにしている。震災から4年以上たち風化している感じがするが、(同社は)変わらず活動を続けて100便となった。簡単なことじゃない」。みなし仮設世帯に物資を届ける活動の現地ボランティア拠点となっている千鳥町の菊池道子さん(74)は「誰かのために役立ちたい、一緒に支え合おう―との思いが活動の励みになっていて、そういう思いを持つ人のつながりが広がっている」と語った。

 

 野田武則市長も駆けつけ、「被災地では心を寄せてくれる人がいることが励みになる。言葉に尽くせない支援。これからも人と人との関係は大切で、絆を深めてほしい」と期待を述べた。

 

 鹿沼市でリンゴ農家を営む梅澤フクさん(70)は「みなさんと顔を合わせ、いいリンゴをつくって食べてもらいたいという思いが強まった」と話した。

 

 同プロジェクトは、震災直後の2011年3月30日に第1便が出発。以後、週1回程度、物資をまとめて届けるようになり、昨年からは月1回のペースで釜石や大槌町を訪れている。これまでに届けた物資は段ボールで約2万5千個。活動は共感を呼び、栃木県内外から協力する個人や団体、商店主ら支援者は延べ5千人に上るという。

 

 野菜を栽培するため店舗のそばに2ヘクタールの畑を整備したほか、12年4月には「飛行船釜石物産店」をオープン。「被災者の収入源の一助に」と現地で買い取った海産物などを販売している。店舗の2階にはこれまでの支援活動を伝える展示ギャラリーも併設。被災地の状況と支援の重要性を発信している。

 

(復興釜石新聞 2015年8月29日発行 第414号より)

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