浜幸水産 30年ぶりサンマ漁〜17日釜石出港、リスク分散へ 中古船で操業

2015/08/26|カテゴリー:復興釜石新聞 産業・経済

餅まきで出港を祝う浜幸水産の「第38欣栄丸」=17日午前10時50分、新浜町の魚市場で

餅まきで出港を祝う浜幸水産の「第38欣栄丸」=17日午前10時50分、新浜町の魚市場で

 

 世界の海で遠洋マグロ漁を行っている釜石市の浜幸水産(浜川幸雄社長)が30年ぶりにサンマ漁を手掛けることになり、17日、今季の初操業に向かうサンマ船の出港式を新浜町の魚市場で行った。1933年の創業から80年余、遠洋マグロ漁一筋に経営してきた同社は2012年、近海で操業するトロール船2隻を新造し、近海にも目を向け始めた。年々厳しさを増す遠洋マグロ漁を取り巻く環境の変化が背景にあるが、新たにサンマ漁を加え、グローバル化によるリスク分散を目指す。

 

 サンマ船は、北海道稚内市から中古で購入した「第38欣栄丸」(176トン、小野一漁労長)。サンマ漁の漁業権もセットで手に入れ、17人の乗組員は全員を新規採用した。福島県いわき市から漁労長など8人、県内から9人。

 

 出港式には関係者や地域住民ら約50人が集まり、神事に続き浜川社長(73)が「漁労長を中心に目標を達成してほしい」とあいさつ。浜川幸三専務(40)は「本腰を入れ、さらに強い漁業を目指したい」と決意を述べた。船から餅をまき、操業の安全と豊漁を祈った。

 
出港式であいさつする浜川社長(右)。30年ぶりにサンマ漁を再開する

出港式であいさつする浜川社長(右)。30年ぶりにサンマ漁を再開する

 

 同社は現在、遠洋マグロ船11隻と近海トロール船2隻を所有している。30年前にもサンマ船1隻を所有したことがあったが、うまく行かず撤退した。

 

 「最近では沖合から近海へと漁業の形態も変わってきた」と浜川専務。三陸産の海産物の評価が世界的に高まり、中でもサンマは魚価が震災前の1キロ当たり80円前後から震災後は100円以上と高値で安定していることなどから、サンマ漁を再開することにしたという。

 

 船は建造から27年もたつ中古。大型サンマ船の国内枠が55隻と限定されていることから、「まず漁業権を手に入れたい」(浜川専務)とセットでの購入を決めた。

 

 サンマ漁は北海道のロシア海域から三陸沖にかけて今月から12月中旬まで行う。釜石を出港した船は北海道・根室に向かい、20日に出漁。今季は約3億円の水揚げを目指す。

 

 釜石市浜町に本社がある同社は震災の津波で被災。事務所の修繕を終え12年3月に戻ったが、事務所や倉庫などの被害額は約3億円にのぼった。3年前にトロール船の新造に踏み切った浜川専務は「サンマ漁も加え、リスク分散につなげたい」と意気込む。

 

(復興釜石新聞 2015年8月22日発行 第412号より)


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