復興へ「希望の光」に、橋野鉄鉱山 世界遺産登録〜祝賀セレモニー 市民喜びに沸く

2015/07/10|カテゴリー:復興釜石新聞 地域 観光

 釜石市の「橋野鉄鉱山・高炉跡」を含む「明治日本の産業革命遺産」は5日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された。登録の可否を審査するユネスコの世界遺産委員会に派遣されている市の担当職員が同日午後10時過ぎ、ドイツのボンから電話で登録決定を報告。予期せぬ審査延期に気をもんでいた野田武則市長ら関係者は安堵(あんど)と喜びの声を上げた。一夜明けた6日朝には只越町の市役所本庁舎前で記念セレモニーが行われ、市職員や駆けつけた市民ら約200人が「世界遺産を希望の光に」と復興への思いを新たにした。

 

世界遺産登録記念セレモニー
世界遺産登録記念セレモニーには、かまいしこども園の園児らも駆けつけ、「おめでとう」のカードを掲げて登録決定を祝う

 

 「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録は当初、4日にも審査が行われる予定だった。しかし、歴史認識をめぐる日韓の対立が再燃し、1日先送りされる事態となった。

 

 5日、野田市長や幹部職員ら約20人が午後10時前から市長室で世界遺産委員会の模様をインターネット中継で見守り、登録決定を確認。関係者の拍手の中、野田市長は「たいへん喜ばしい。震災からの復興を目指す当市の大きな希望の光になる。ラグビーワールドカップ(W杯)、世界遺産と、『世界』と名の付く出来事が重なるのは誇らしい。全国の関係自治体と連携を深め、資産の管理保全に万全を期し、世界遺産を活用したまちづくりに取り組んでいきたい」と喜びを語った。

 

登録決定の報
ドイツのボンに派遣した職員から電話で登録決定の報が入り、拍手で喜ぶ野田武則市長ら関係者=5日午後10時過ぎ

 

 大島高任の玄孫(やしゃご)で、5月に市鉄の歴史館名誉館長に就任した大島輝洋さん(67)は「紆余曲折はあったが、やっと世界遺産に決まった。はじめは候補に挙がっていなかった釜石が最後に残り、世界遺産になった」と感慨深げ。近代製鉄発祥150周年の2007年から「鉄のふるさと創造事業」に取り組んできた大滝粂夫さん(72)は「釜石の鉄の歴史の価値が世界的に認められ、たいへん喜ばしい。子どもたちへ最高の贈りものができた」と喜びをかみしめた。

 

かまリンも万歳三唱
釜石のマスコットキャラクター「かまリン」も万歳三唱

 

 6日午前7時、市は防災行政無線を通じて市民に世界遺産決定を周知。午前9時から市役所前で行われた記念セレモニーで、野田市長は「待ちに待った登録が昨夜決まった。釜石の歴史に誇りを持ち、たわまず屈せず、新しいまちづくりに取り組んでいく」と決意を述べた。市役所屋上から垂れ幕、玄関の上には横断幕が掲げられ、くす玉を割り、全員で万歳三唱。集まった市民は「やっと決まって良かったね」などと握手を交わし、登録の喜びを分かち合った。

 

万歳三唱で登録決定を祝う
市役所本庁舎前で行われた世界遺産登録記念セレモニーには市職員や市民ら約200人が集まり、万歳三唱で登録決定を祝う=6日午前9時過ぎ

 

 防災無線を聞き、孫の藤原舞ちゃん(2)の手を引いてセレモニーに駆け付けた野田町の千葉由紀子さん(67)は「橋野高炉跡には毎年桜の季節に行きますが、まわりの自然の美しさに今度は歴史の重みも加わる。(世界遺産に決まった)今だけではなく、いつまでも多くの人に足を運んでもらいたいですね」と願った。

 

 市内では鈴子町のJR釜石駅や新町の県釜石地区合同庁舎にも横断幕が掲げられ、祝賀ムードを盛り上げた。

 

(復興釜石新聞 第400号より 2015年7月8日発行)

 

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