のぞみ病院 白内障手術開始から3年 患者、件数ともに増加

2015/07/03|カテゴリー:復興釜石新聞 医療・健康

金沢医科大の佐々木洋教授

 

 釜石市大渡町の医療法人仁医会釜石のぞみ病院(葛西款院長)は、石川県の金沢医科大眼科学教室の支援を受け2012年6月から白内障手術を開始、3年が経過した。東日本大震災による治療環境の変化で、手術適応患者の多くが盛岡市など他地域での治療を余儀なくされていた中、始まった同病院での手術。地元で受けられる安心感、高い技術、術後の生活の質向上などが口コミで広まり年々、手術患者数、件数ともに増加している。  

 

 手術を行うのは同大の佐々木洋教授(52)。3万件以上を執刀してきた白内障手術の権威で、毎月1回釜石を訪れ1日で平均30~40人の手術を手がけている。開始から今年5月までの3年間の手術患者数は768人、実施件数は1196件。70代、80代の患者が多く、60代が続く。

 

 市外に出向くことによる心身、経済的負担、手術を諦める―など患者が抱える悩み、不安解消に貢献してきた佐々木教授。「皆さんに喜んでいただけて幸い。今まで培った自分の技術を提供できてうれしく思う」と遠方から通う労もいとわない。

 

 震災前から白内障の症状があり、地元医院の紹介で手術を受けることになった新町の佐々木忠一さん(80)は「市内でできるのは便利だし、何より心強い。前に受けた人の話を聞くと評判がいい。安心して受けようと思って」と視力回復に期待。2回にわたって両眼を手術するという。

 

 白内障手術の進歩は目覚ましく、単に濁った水晶体を取ることで見え方を改善するだけでなく、近視や乱視も矯正可能。眼鏡をかけずに遠くも近くも見えるようになる多焦点眼内レンズ(健康保険適用外)も登場している。

 

 白内障は高齢者の6割が罹患(りかん)の可能性があるといわれ、高齢化が進む釜石市では医療機関で診断されていない人も含めると罹患者数はさらに増えるものと予想される。白内障による視力低下は5~10年かけて徐々に進行するため、「老眼のせい」などと放置してしまうケースも少なくない。免許更新時に初めて見えないことに気づく人も。

 

 同病院の眼科診療を担う葛西院長(60)は予想以上に手術適応患者が多い実態に驚きつつ、「目の手術は怖いイメージがあるかもしれないが、今は短時間で安全にできるようになっている。目からの情報は大事。一度受診を」と呼びかける。

 

 白内障は高齢者の交通事故、転倒や骨折、精神的疾病の原因ともいわれる。「本当は手術が必要な状態なのに眼科を受診していない、症状を自覚していない人が、まだまだ居ると思われる。手術で今より見えるようになる可能性がないか確認することをお勧めします」と佐々木教授。

 
 金沢医大は復興支援の一環で、7月26日から30日まで大町の青葉ビルで、市内の仮設住宅に暮らす65~85歳の人を対象に無料で眼科検診を行う。釜石市が共催。地区ごとに実施日を指定してバスを運行する。問い合わせは市健康推進課(電話22・0179)へ。

 

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