「心象舎」藤枝さん 自宅再建 ギャラリー開設、震災当時の記録も公開

2015/06/01|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

フォトライブラリー心象舎 藤枝宏氏
大渡町に再建した自宅にフォトギャラリーを開設した藤枝宏さん

 

 復興釜石新聞紙上に「かまいし便り」を連載しているフリーカメラマン、「フォトライブラリー心象舎」を主宰する藤枝宏さん(58)が釜石市大渡町に自宅を再建し、震災前から念願にしていたフォトギャラリーを開設した。震災後も記録し続けている古里の自然や町並みなど、釜石の風景を中心に展示。膨大な撮影データをすぐに映し出せるモニターも備え、一般にも公開している。
 
 藤枝さんは、震災から3カ月後に発刊した復興釜石新聞の第1号から「かまいし便り」を連載。震災から5カ月後の8月には、震災発生直後から撮り続けた街の様子を収録した「釜石の記録」を発行。地元カメラマンによる貴重な記録として反響を呼び、版を重ねて1万部に及んだ。

 

 震災前に撮影したデータをもとに大槌町の街並みを再現した写真集「大槌夢幻ゆめまぼろし」も出版した。2012年には、「かまいし便り」に掲載した写真を中心に構成した「釜石 心の風景」を発行。連載は今389号で233回を数える。

 

 震災の津波で藤枝さんは大町の自宅が全壊。幸い家族は無事だったが、妻や足の不自由な母親らと震災の2週間後から中妻町のアパートで〝みなし仮設〟の暮らしを続けた。

 

 そんな厳しい生活の中で藤枝さんの心を支えたのは、震災前と変わらず輝きを失わない古里の自然の風景だったという。津波で大きな痛手を受けた町並みにようやく復興の姿が見え始めたことも、気持ちを前向きにさせた。

 

 藤枝さんは古里釜石をこよなく愛し、「自分が育った大町に戻り自宅の再建を」という思いも堅かった。大渡町に自宅を再建したのは今年1月。「自宅があった場所にはイオンタウンができ、戻ることはできなかったが、市の配慮で近い場所に再建することができた」と感謝する。

 

釜石の風景、街並み写真展示

 

 自宅1階に20平方㍍余りのフォトギャラリーを開設。裏口の玄関には「心象舎」の看板も掲げた。「雪の松磯」「荒れる御箱崎」など12点のほか、定点で撮影を続ける中心市街地の街並みなどを展示。大型連休中には一般公開のオープンギャラリーも開いた。

 

 展示し切れない写真は、モニターのスライドショーで公開。この中には、震災当日の東部地区の模様を刻々と記録した写真もある。藤枝さんが自宅から避難しながら撮影したもので、甲子川から水があふれる様子などが緊迫感いっぱいに刻まれている。

 

 「被災者にとってはつらいものもあるとは思いますが、震災から4年余りを経過した今、冷静になって確かめたいと思う人も少なくないのでは」と藤枝さん。希望があれば、ギャラリーを公開している。問い合わせは心象舎(電話0193・22・4188)へ。

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心象舎 釜石フォトギャラリー
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