指揮者の佐渡裕さん「ずっと釜石を応援する」〜スーパーキッズオーケストラ、被災地へエールの“熱奏”


2018/04/15
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

釜石市民吹奏楽団と合同で演奏するスーパーキッズ・オーケストラ

釜石市民吹奏楽団と合同で演奏するスーパーキッズ・オーケストラ

 

 指揮者として世界で活躍する佐渡裕さんが率いるスーパーキッズ・オーケストラの演奏会が1日、釜石市民ホールのグランドオープンを記念し、同ホールで開かれた。東日本大震災の年から同オーケストラの活動を通して被災地に心を寄せ続けている佐渡さん。子どもたちのエネルギッシュな演奏に重ねて「これからもずっと釜石の姿を見続けたい」と言葉を贈り、ほぼ満席となった市民を感激させた。

 

 同オーケストラは、兵庫県立芸術文化センターの芸術監督を務める佐渡さんが2003年に立ち上げ、小学生から高校生までオーディションで選ばれた精鋭で編成する。2011年からは震災被災地を毎年訪問。釜石では鵜住居町の根浜海岸で犠牲者を慰霊する演奏を続けている。

 

「ずっと釜石を応援する」と宣言した佐渡裕さん

「ずっと釜石を応援する」と宣言した佐渡裕さん

 

 今回の演奏会は、サントリーホールディングスなどが支援する「こころのビタミンプロジェクト」の一環。2年前に大きな地震災害のあった熊本県内を巡ったあと、仙台市、大槌町に続いて釜石に足を運んだ。

 

 歌劇「メリーウイドウ」、映画「ニューシネマパラダイス」のテーマ曲などを力強く演奏。釜石市民吹奏楽団の約40人を加えて復興支援ソング「花は咲く」や「ふるさと」も奏で、客席の市民も声を重ねた。最後は復興への祈りを込め、バッハの「シャコンヌ」で締めた。

 

 「阪神淡路大震災から立ち上がった兵庫県立芸術文化センターには年間50万人が訪れる。スーパーキッズを次の世代につなげていくことが大きな意味を持つ」と佐渡さん。演奏の合間を縫う形で被災地に寄せる思いも語った。「長く支援し続けることが大事。ずっと釜石を応援していく」と宣言すると、客席から大きな拍手が沸き起こった。

 

 浜町で被災し、今なお天神町の仮設住宅で暮らす赤崎成子さん(60)は「佐渡さんの力強い言葉が胸に響いた。温かな人間性が感じられた」と感激していた。

 

(復興釜石新聞 2018年4月7日発行 第679号より)

 

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