高炉稼働時代の森を復元、「橋野」で育樹祭〜釜石市と国 共同事業

2017/11/28|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

100年先の豊かな森づくりに協力したボランティアら

100年先の豊かな森づくりに協力したボランティアら

 

 ユネスコ世界遺産の橋野鉄鉱山で、鉄を生産していた160年前の森を復元する「稼働時代の森づくり育樹祭」が18日、釜石市橋野町の現地で行われた。市と周辺の国有林を管理する林野庁東北森林管理局三陸中部森林管理署(大船渡市、畠沢重年署長)が共催。100年をかけて針葉樹と広葉樹の豊かな森をつくる壮大なプロジェクトがスタートした。

 

 育樹祭は、橋野町青ノ木の第一高炉跡の東側にあるスギ林(約1・2ヘクタール)で行われた。樹齢12年の高さ8ヘクタールほど、胸高径12センチ前後の約3千本が育つ。市産業振興部の似内敏行部長ら市職員、森林管理署職員、同署管内の林業関係者、県職員のほか、地元橋野町や栗林町などから市民ボランティアを含む小学生から80代まで約60人が参加した。

 

 背の高さまで枝打ちしたほか、生育不良木を除伐。多くはのこぎりで作業し、根元から曲がって隣の木に掛かった数本を伐り倒した。

 

 枝打ちは、木肌を整え付加価値を高めるために欠かせない。最後にシカの食害から守る防除ネットを幹に巻き付け、約1時間の作業を終えた。

 

 稲作のほか山林も所有する栗林町の川﨑正次郎さん(77)は「それぞれができることをして協力しないと。地域の多くの人がかかわれば、遺産の関心が高まり、お客さんも呼ぶことができる」と活動の意義を語った。

 

 息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

息を合わせ、手際よくシカ食害防止ネットを巻き付ける参加者

 

 畠沢署長によると、間伐は20年に1回をめどに繰り返し、50年後に伐期を迎える。針葉樹と広葉樹の「混交林」は製鉄に欠かせなかった木炭の原料を提供するとともに、建屋など関連施設の建設にも活用された。スギ林を管理し続けることで、徐々にかつての自然林のサイクルを取り戻す。

 

 畠沢署長は参加者に感謝し、「しっかりと森林を管理し、橋野鉄鉱山に多くの人が訪れるよう協力したい」と意欲を伝えた。

 

(復興釜石新聞 2017年11月22日発行 第641号より)

 

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