復興けん引、高まる期待〜岩手と大阪の絆の証し、ガントリークレーン稼働開始

2017/10/04|カテゴリー:復興釜石新聞 産業・経済

テープカットでガントリークレーンの稼働を祝う出席者。背後のクレーンの高さに圧倒される

テープカットでガントリークレーンの稼働を祝う出席者。背後のクレーンの高さに圧倒される

 

 東日本大震災からの復興支援のため大阪府から本県に無償譲渡され、釜石港に設置された大型荷役機械「ガントリークレーン」の供用開始式が23日、釜石市港町の同港公共ふ頭マイナス11メートル岸壁で行われた。これまで稼働してきたジブクレーンの約3倍の作業効率を誇る大型クレーンの導入で、同港の取扱貨物量は飛躍的な増大が見込まれ、関係者はコンテナ物流の活発化による本県経済振興へ期待を高める。

 

 県、市、釜石港湾振興協議会が主催した式典には約100人が出席した。達増拓也県知事は「本県港湾の震災復興のシンボルとして大いに活用させていただきたい」と大阪府(松井一郎知事)に感謝。同協議会会長の野田武則市長は「多くの企業の関心が釜石港に向けられる中で、歴史的な瞬間を迎えることができた」と喜びを表した。

 

 同府の竹内廣行副知事に記念品を贈り、出席者の代表11人でテープカット。コンテナ陸揚げのデモンストレーションを披露し、本県初導入となるガントリークレーンの供用開始を祝った。

 

 同クレーンは高さ56メートル(アーム伸長時76メートル)、重さ557トン。最大で44・5トンをつり上げることができ、1時間あたり20フィートコンテナ25~40個の積み下ろしができる。岸壁に設置されたレール上を走行するため、タイヤ移動式のジブクレーンに比べ、スピーディーな処理能力を持ち、大型コンテナ船にも対応可能となった。

 

 県は昨年7月から岸壁補強工事を進め、2列の移動用レール(延長178メートル)を敷設。先月、5日間かけてクレーンを堺泉北港から海上輸送し、岸壁への移設工事を行った。受け入れのための事業費は約9億円。

 

 同クレーンは1995年の阪神淡路大震災を受け、翌年、府が堺泉北港に整備。被災した神戸港の復興や関西の物流確保に活躍した3基のうち、現在運用されていない1基が本県に贈られた。クレーンには両府県章が並べて表示されている。

 

 竹内副知事は「岩手と大阪の絆の証し。東北の復興、経済成長、産業活性化に役立つことを期待する。復興後も岩手との交流を続け、互いに助け合っていければ」と願った。

 

 釜石港は震災後の2011年7月に国際フィーダー定期航路が開設されて以来、コンテナ貨物取扱量が大幅に増加。昨年12月に本県初の1港2船社体制となり、貿易手段の選択肢が広がった。今後、同港と海外の港を直接結ぶ新たな外貿ダイレクト航路が開設される見通しで、荷役能力向上は大きな強みになる。

 

(復興釜石新聞 2017年9月27日発行 第625号より)

 

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