高架橋から市街地望む、あと2年 開通へ夢を膨らませる〜「復興道路」工事進む、八雲道跨道橋で見学会

2017/09/22|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

阿久津所長(左)から橋の工事について説明を受ける地元住民

阿久津所長(左)から橋の工事について説明を受ける地元住民

 

 「復興道路」として整備が進む三陸沿岸道路釜石山田道路(釜石市甲子町―山田町船越、23キロ)の一部、釜石市八雲町の八雲跨(こ)道橋(81メートル)建設現場で10日、地元住民を対象とした見学会が開かれた。約90人が高架橋に上がり、コンクリート構造物の仕組みや工事の進捗(しんちょく)状況を見学。災害に強く、救急搬送などへの整備効果が期待される高規格道路開通へ夢を膨らませた。

 

 見学会は工事を請け負う川田建設(本社・東京都北区)が、八雲協力会、八雲地区親交会、富士見台町内会の住民を対象に実施。同跨道橋作業所の阿久津豊所長(監理技術者)が工事概要を説明した後、工事用エレベーターで高さ約20メートル(ビル7階相当)の橋上部に向かった。

 

高さが20メートル以上もある八雲跨道橋を橋脚の下から見上げる参加者ら

高さが20メートル以上もある八雲跨道橋を橋脚の下から見上げる参加者ら

 

 同跨道橋は釜石山田道路の最も南に位置する釜石トンネルと、八雲第1トンネルを結ぶ高架橋で、昨年6月に着工。今春、橋脚が完成し、現在は上部工8ブロックの最終ブロックを施工している。コンクリートに通した鋼材を両方向から引っ張り、元に戻る力を利用してコンクリートに圧縮力を与えるPC(プレストレストコンクリート)工法を採用。合わせて橋の強靭(きょうじん)化、高耐久化を図るさまざまな創意工夫がされている。

 

 参加者は、ミリ単位の管理をしながら進められるという工事技術に感心しながら、普段は見られない現場に理解を深めた。橋から見える市街地の景色も満喫した。

 

 3人の子どもと訪れた八雲町の千葉美代子さん(33)は「実際に見なければ分からない部分もあるので、貴重な機会になった。縦と横の高速道路がつながって少しでも便利になれば」と期待。長女の歩さん(双葉小3年)は「いろいろな道具を使って橋を造っているのにびっくり。橋の上は高くて少し怖かったけど楽しかった」と目を輝かせた。

 

 同親交会の西村晴夫会長(75)は「山間部にこのような構造物ができるとは。道路が完成すれば物流も盛んになる。地域を取り巻く環境も大きく変わるが、釜石の今後が良い方向に進んでいけば」と願った。

 

 阿久津所長(53)は「現場を見ることで公共工事が身近なものとなり理解も進む。地元で造っているものの価値が分かれば誇りにも思っていただける。11月までの工事を無事故で終え、品質のいいものを残したい」と意欲を見せた。

 

 釜石山田道路は震災直前の2011年3月5日に釜石両石インターチェンジ(IC)―釜石北IC間(4・6キロ)が開通済み。八雲跨道橋を含む整備中の釜石ジャンクション(JCT)―釜石両石IC間(5・6キロ)、大槌IC―山田南IC間(8キロ)は18年度中、釜石北IC―大槌IC間(4・8キロ)は19年度中の完成を見込み、19年度までに全線23キロが開通する予定となっている。

 

(※整備中のJCT、IC、トンネル、橋梁はいずれも仮称)

 

小佐野小生も高架橋見学、熱心に質問

 

学校の近くで進められている工事現場を見学した児童たち

学校の近くで進められている工事現場を見学した児童たち

 

 小佐野小(紺野綾子校長、児童318人)の4年生44人が13日、釜石市と山田町間で建設中の三陸沿岸道路釜石山田道路(23キロ)を訪れ、小佐野高架橋(長さ261メートル)の工事現場を見学した。児童らは学校のすぐそばで整備が進む橋桁の架設作業について関係者から説明を聞き、熱心に質問をした。

 

 見学会は地元で行われているスケールの大きな橋梁(きょうりょう)工事を見て、触れて、建設業に興味を持ってもらおうと、施行者の高田機工(本社・大阪)小佐野南地区橋梁工事事務所(武本博所長)が企画。学校から歩いてやって来た児童たちは武本所長らから工事の進行状況、必要な部材や機材などの説明を受けた後、橋桁となる四角い部材(長さ10メートル、高さ2・7メートル、横幅2・5メートル)内の見学や、つなぎ目となるボルトを部材にセットする作業を体験した。

 

 児童から「この橋をつくるのにどれくらいお金がかかりますか」「仕事で一番大変なことは」と質問が出ると、作業員らが「9億円です」「工事現場では、いろんな人が協力して働いていて、まとめるのが大変」と回答。建設業を選んだ理由を聞かれた作業員は「明確な理由はないが、働いて楽しさを知った。地図に残る仕事だと気付き、やりがいを感じるようになった。何となくでも何とかなるけど、やりたいことを見つけて」とアドバイスする場面もあった。

 

 鹿島大希君は「みんなが喜ぶ顔が見たいから」と、家を建てる仕事がしたいとの夢も持っており、工事現場に興味津々。「力を合わせてやれば、どんなことでもできると分かった」と学びを深めた。

 

 釜石山田道路は19年度中の全線開通を予定している釜石市甲子町と山田町船越を結ぶ自動車専用道路。小佐野高架橋は現在、橋桁を架ける工事が進められており、今年11月末までに完了する。その後、橋桁の上に「床版(しょうばん)」というコンクリートの床を造り、さらにアスファルトで舗装。1年ほど工事は続けられるが、早期完成を目指している。

 

(復興釜石新聞 2017年9月16日発行 第622号より)

 

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