復興後押しトライアスロン、根浜に195人集う〜昨年の岩手国体を弾みに

2017/09/12|カテゴリー:復興釜石新聞 スポーツ

海岸に打ち寄せる波を越えスイムに挑む選手ら=午前8時

海岸に打ち寄せる波を越えスイムに挑む選手ら=午前8時

 

 第23回釜石はまゆりトライアスロン国際大会(同実行委主催)は3日、釜石市鵜住居町の根浜海岸特設会場を発着点に開かれた。同大会は東日本大震災で中断を余儀なくされたが、関係者の熱意でいち早く復活への取り組みに着手。震災から3年後の2014年には競技全3種目の復活大会にこぎつけ、昨年の希望郷いわて国体同競技の釜石開催を成功に導いた。2年ぶりの今大会は、震災前と同じ総距離51・5キロで実施。全国から集まったアスリートに復興の進展を印象づけた。

 

 北海道から佐賀県まで195人がエントリー。51・5キロ(スイム1・5キロ、バイク40キロ、ラン10キロ)を個人で競うスタンダードに151人、2~3人で3種目を分担するリレーに8チーム23人、各種目半分の距離で競うスプリント(総距離25・75キロ)に21人が出場した。スプリントは同大会初の試み。

 

 午前8時、スイム(水泳)からスタート。三陸沖を通過した台風15号の影響で高波が押し寄せ、水温も17度(午前6時現在)と低めだったため、不安な人は事前にバイク(自転車)からのスタートに切り換える措置も講じられた。バイクは根浜から箱崎町を折り返し、橋野町を経由して根浜に戻るコース。橋野町を折り返すコースは震災後初めてで、沿道の地域住民らが熱い声援を送り大会を盛り上げた。ラン(長距離走)は根浜―箱崎間を周回した。

 

復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

復興事業で完成した根浜の高台造成地をバックに繰り広げられるバイクレース

 

 注目を集めたのは、08年の北京五輪で5位入賞を果たした井出樹里さん(34)=神奈川県=。男子選手とスタンダード上位争いを繰り広げ、女子トップでゴール(2時間11分14秒)後は、ゴール地点で後続の選手を出迎えた。井出さんは「トライアスロンが大好きな人たちと一緒に、この地で大会ができたことは自分にとってもプラスで、ありがたい経験。大会の雰囲気も温かい。ぜひ、また来たい」と声を弾ませた。

 

ゴール後、充実の笑顔を輝かせる井出樹里さんと小林会長

ゴール後、充実の笑顔を輝かせる井出樹里さんと小林会長

 

 男子スタンダード1位(2時間02分12秒)に輝いたのは、大船渡市出身で昨年の国体に本県代表として出場した寺澤光介さん(23)=東京都=。高校1年の時に初めて挑んだのが同大会で、震災後も出場を続ける。「国体では思うような結果が出せなかった。今年はそのリベンジも込め全力で臨んだ。今後は東京とその次の五輪を見据え、海外レースでも経験を積みたい」とさらなる飛躍を誓った。

 

トリーズさん、12年ぶりエントリー

 

 リレーの部には、国際大会の冠が付いた第3回大会から出場し、同大会の発展に大きく貢献してきたトリーズ・マイケルさん(55)=東京都=が、妻りえ子さん(40)、競技仲間の丹内心悟さん(39)=愛知県=とチームを組んで出場。トリーズさんらは震災後、「Tri4Japan」の名で、被災地支援活動を展開し、毎年釜石を訪れている。

 

 05年以来の出場となったトリーズさんは「天気も良くて楽しかった。痛めている腰が治ったら、3種目フルで出たい」、2年ぶりの出場となったりえ子さんは「ビーチや緑地広場が戻って本当に良かった。沿道の皆さんの笑顔も温かくて、やっぱり釜石っていいな」と大会復活を喜び、「震災前のような完全な形になるまで、応援を続けたい」と夫婦で〝釜石愛〟をにじませた。

 

トリーズさん、12年ぶりエントリー

手を取り合ってゴールしたトリーズさん夫妻と丹内心悟さん(右)

 

 大会総括責任者の釜石トライアスロン協会、小林格也会長は「台風の影響も最小限で、無事終えられた。今年は初心者が参加しやすいようスプリントも設けたが、今後は子どもたちにもトライアスロンの面白さを知ってもらい、底辺拡大につなげたい。今年から始まったオープンウォータースイミングとともに根浜を拠点としたスポーツ振興にもつなげられれば」と意欲を見せた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月6日発行 第619号より)

 

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