栗林町砂子畑・丹内神社、15年ぶりに祭り行列〜後継者育成へ機運高める、震災被災者と交流促進も

2017/08/28|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

15年ぶりに権現様が地域をめぐった丹内神社の祭

15年ぶりに権現様が地域をめぐった丹内神社の祭典

 

 釜石市栗林町砂子畑地区にある丹内神社の祭典(砂子畑共正会主催)が20日行われ、15年ぶりとなる渡御(とぎょ)行列に地域が活気づいた。ご神体を移した権現様が地元の芸能4団体とにぎやかに練り歩き、住民らに心の平穏と未来への希望をもたらした。

 

 行列には約100人が参加。神社で神事を行った後、市の天然記念物にも指定されているカツラの巨木を祭る桂明神に参詣し、住宅が立ち並ぶ主要道を進んだ。沿道の家々では一行に酒などを振る舞い歓迎。地域を挙げての祭りに住民らが明るい笑顔を広げた。

 

 行列を迎えた藤原エツ子さん(80)は「昔に比べれば子どもたちが少なくなったが、笛や太鼓の音を聞くと元気が出るね。地区内には震災後に移住してきた世帯もある。祭りを通して交流を深められたら」と思いを込めた。

 

震災後移住した住民宅前で踊りを披露する砂子畑鹿踊

震災後移住した住民宅前で踊りを披露する砂子畑鹿踊

 

 1615年に創建された同神社は、雨をつかさどる龍神を祭り、水害の多かった地域の守り神として信仰を集めてきた。渡御で繰り出した4体の「水月山丹内大権現」は2体1組で、住民によると、古いものは1811年から継承されているという。地域の情勢によって行われる行列は平成に入ってからは今回で4度目。震災からの復興が進んできたことや後継者育成への機運が高まったことで、2002年以来15年ぶりの開催を決めた。

 

 300年以上の歴史を誇る砂子畑鹿踊(市指定無形民俗文化財第12号)の踊り手、小笠原慎二さん(36)は「人口が減ってきている中で、鹿踊りの伝承を含め祭りをどう続けていくかが課題。若い人たちが参加し、盛り上げていけるようになれば」と願った。

 

 渡御終了後は砂子畑さんあいセンターの中庭で芸能祭が開かれ、同鹿踊のほか丹内神楽(同第1号)、砂子畑小踊り、砂子畑道々虎舞が踊りを披露した。

 

伝統の舞で地域を元気づけた丹内神楽の踊り手ら

伝統の舞で地域を元気づけた丹内神楽の踊り手ら

 

 同共正会の小笠原成幸会長(67)は「地域の皆さんの連帯感が最高。祭りは互いの顔を知り、住民のつながりを生む場にもなっている。普段、外に出る機会の少ない高齢者と昼間、仕事で居ない若い世代の交流も図られる」と話した。

 

 砂子畑地区には現在、120世帯が暮らす。震災以降、津波被災者が地区内に自宅を再建するなどし、約30世帯増えた。また、栗林町の仮設住宅はすべて同地区にある。

 

(復興釜石新聞 2017年8月23日発行 第615号より)

 

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