復活「お盆野球」に完成沸く〜鵜住居、箱崎、両石

2017/08/25|カテゴリー:復興釜石新聞 スポーツ

7年ぶりに元気な顔をそろえたお盆野球大会の参加者ら

7年ぶりに元気な顔をそろえたお盆野球大会の参加者ら

 

 東日本大震災で被災した釜石市鵜住居町に野球仲間の歓声が7年ぶりに響き渡った。震災以降、中断されていた地域のお盆恒例行事「水野旗争奪お盆野球大会」が復活し、15日、釜石東中グラウンドで行われた。大会を待ち望んでいた地域住民らは、顔なじみの仲間と野球ができる喜びをかみしめ、復興への歩みをまた一歩推し進めた。

 

 鵜住居、箱崎、両石の3町から6チーム、約100人が参加。開会式で大里芳章実行委員長は「野球を普通にできることに感謝し、一日楽しんでほしい」とあいさつ。釜石東中3年の植田基希君が選手宣誓し、大会が幕を開けた。

 

 中学生以上を選手とし、地区ごとに結成した5チームと釜石東中チームが、トーナメント戦で優勝を競い合った=写真。この日は弱い雨が断続的に降るあいにくの天候となったが、復活大会にふさわしい熱戦が続き、選手も観客も明るい笑顔が光った。

 

 同大会は戦後の青少年健全育成を目的に始まった。お盆中に行われることで帰省者らも多く参加し、旧交を温め合う場になっていたが、2011年の震災で会場としていた東中が被災。大会休止を余儀なくされた。今年4月、高台に新校舎が完成し、グラウンド環境も整ったことから、大会復活への声が高まり、震災後初の大会が実現した。

 

 今大会では被災の大きかった鵜住居町中心部の地区(上、仲、川原、新川原)が「全川原」として合同チームを結成。各地に散らばる約20人が顔をそろえた。町内の仮設住宅に暮らす佐々木実さん(53)は震災前、新川原チームで参加。「和気あいあいの大会は見るのもやるのもよし。復活が待ち遠しかった。本当にうれしい」と感慨深げ。仲地区に実家があった佐藤圭さん(37)は千葉県から帰省し、「震災以降、会っていない人も多い。みんなに声を掛けられ、懐かしくて。母校の校舎も立派に再建され驚いた」と、古里が復興に向かう姿を目に焼き付けた。

 

 「伝統ある大会を無くしてはならない」「地域コミュニティー再生にも大会は必要」―。地元への愛着と復興への思いから、再スタートを切った同大会。大里実行委員長(48)は「人が集まるのはいいこと。毎年継続し、少しでも地域を盛り上げていきたい」と意を強くした。

 

復活「お盆野球」に完成沸く〜鵜住居、箱崎、両石

 

 結果は次の通り。
▽1回戦
日  向3―2中学生
箱  崎5―2両 石
▽2回戦
全川原5―1日 向
白  浜6―3箱 崎
▽決勝
全川原6―0白 浜
▽最優秀選手=佐々木重聡(全川原)
▽優秀選手=佐々木航太(白浜)

 

 【水野旗争奪お盆野球大会】
1947(昭和22)年、鵜住居村(当時)に水野医院を開業した水野勇医師が、戦後の荒廃した青少年の生活態度に心を痛め、地区対抗の野球大会を提案したのが始まり。48年に第1回大会が開かれ、55年に水野医師が寄贈した優勝旗が今に受け継がれる。

 

 最盛期の昭和40年代には根浜、川目、外山、片岸、室浜、水海のチームも名を連ね、14チームが3日間の熱戦を繰り広げた年も。震災による中断を経て復活した2017年大会は64回目となった。

 

 95年に水野医師が逝去(享年82)後は、妻の綾子さん、娘の幸子さん(仙台市在住)が遺志を継ぎ、大会支援を継続。復活大会にも協賛金が寄せられた。

 

(復興釜石新聞 2017年8月19日発行 第614号より)

 

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