鵜住居防災センター跡地、追悼施設の概要説明〜出席者ごくわずか、犠牲の風化 懸念強く

2017/08/01|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

市の説明に先立ち、あいさつする三浦会長。多くの遺族の参加を期待していたが…

市の説明に先立ち、あいさつする三浦会長。多くの遺族の参加を期待していたが…

 

 釜石市が鵜住居地区防災センター跡地に整備する震災犠牲者の追悼施設「祈りのパーク(仮称)」の概要説明会が23日、鵜住居公民館で開かれた。同施設については18日、整備推進委員会(柏﨑龍太郎委員長、委員11人)がレイアウトなどの検討結果をまとめた最終報告書を市に提出。説明会は、同センターに関する被災者遺族の連絡会(三浦芳男会長)の遺族らの意見を聞こうと開催したが、出席者はごくわずかにとどまった。

 

「観光施設の近くには反対」の声も

 

 同パークは東日本大震災の犠牲者を悼み、二度と同じ悲劇を繰り返さぬよう震災の教訓を後世に伝える市全体の施設とする。津波で多くの犠牲者が出た同センター跡地を含む5200平方メートルの市有地に5メートルの盛り土で囲んだ緑地公園を整備。中央の慰霊の場に犠牲となった市民(直接死・関連死・行方不明者)の名前を記した芳名板を設置し、盛り土部分の高台に設ける祈りの場に今後、策定する防災市民憲章を掲げる。同所の津波高(元の地盤から11メートル)を表すモニュメントも設置。公園に隣接し津波伝承施設を整備する。

 

祈りのパークが整備される市有地

祈りのパークが整備される市有地

 

 遺族からは「犠牲者数など防災センターの被害を明確に示してほしい」「公園の近くに観光交流施設があるのは反対」などの意見が出された。昨年12月、連絡会と施設に関する要望を行った釜石仏教会の芝崎惠應顧問は「遺族の気持ちが反映されていない。これで市の重い責任が果たせるのか」と慰霊のあり方や議論の経過に疑問を投げかけた。三浦会長は、2012年12月から要望を続けてきた防災センター犠牲者の慰霊碑建立が同パーク整備に盛り込まれなかったことに関し、他の場所を含めた市の建立の意思を問いただしたが、市側は「まだ決定していない。検討して答えたい」と述べるにとどまった。

 

 説明会の案内は住所が判明している連絡会の117人に送付したが、三浦会長以外の出席者は3人だけ(うち連絡会遺族1人)。三浦会長は「非常に残念。開催時間帯の問題か、関心が薄れているのか」と首をかしげ、慰霊碑問題と併せ、同センターの犠牲が風化してしまうことへ強い懸念を示した。

 

 市は今後、8月26日の鵜住居地区を皮切りに各地区の復興まちづくり協議会で整備概要を説明。市内8カ所で開催予定の市政懇談会でも意見を聞き、19年2月の完成を目指し事業を進める。

 

(復興釜石新聞 2017年7月26日発行 第608号より)

 

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