世界遺産案内の即戦力に〜観光ボランティアガイド、4人が講座修了


2017/07/19
復興釜石新聞アーカイブ #観光

ユニホームに袖を通し、ガイドとして意欲を新たにする(右から)照井良知さん、三浦勉さん、谷藤稔さん

ユニホームに袖を通し、ガイドとして意欲を新たにする(右から)照井良知さん、三浦勉さん、谷藤稔さん

 

 釜石観光ボランティアガイド会(夢ふれあい隊=三浦達夫会長)の新人ガイド養成講座閉講式が7日、釜石市鈴子町のシープラザ釜石で行われた。2年ぶりに開かれた同講座を受講したのは4人で、いずれも釜石や鉄の歴史に関心があり、観光・おもてなしに携わってきた人たち。5月中旬から世界遺産・橋野鉄鉱山や震災関連について4回の座学、3回の現地研修を通じてガイドの実務や心得を学び、即戦力としての期待は大きい。今後は先輩に付いて勉強を続けるが、早い時期にガイドとして独り立ちし、全国から来る観光客にまちの歴史や魅力を発信する。

 

 講座を修了したのは、野田町の三浦勉さん(65)、甲子町の谷藤稔さん(75)、大只越町の鈴木紀之さん(58)、平田の照井良知さん(54)の4人。閉講式には鈴木さんを除く3人が参加。釜石観光物産協会の澤田政男会長から修了証書を受け取り、「釜石の観光、おもてなしの最前線にいるのがガイド。釜石に人を呼び、リピーターが増えるよう、培った力を役立ててほしい」と激励を受けた。

 

 4人は8期生。渡されたそろいの赤いユニホームに早速袖を通した照井さんは「釜石を好きになってもらい、ファンが増えるようなガイドをしたい」と意気込んだ。震災時に大平町の職場から見た津波の様子などを紹介する被災地ガイドとしてスタートしたい考え。県観光協会が認定する「いわて観光おもてなしマイスター」としての知識や技術も生かす。

 

 谷藤さんは、これまで市が9回実施している「鉄の検定」で1級(90点以上)を4回獲得している超ベテラン。釜石製鉄所で働いた、ものづくりの経験、知識を生かしたガイドを目指す。「生まれ育った釜石はユニークな所。先輩が残したもの、歴史の積み重ねをガイドという視点から見たら、違ったものが見えてくるのではと楽しみもある」と笑顔を見せた。

 

 橋野町出身の三浦さんは、橋野鉄鉱山で2年間現地ガイドを務めた経験を持つ即戦力。周辺地域の自然に詳しく、山歩きの案内人としても活動していて、「観光でやっていくには世界遺産だけでは弱い。遺跡も含め釜石の魅力を広めなければ」と気を引き締めた。タクシー運転手の鈴木さんは、観光、おもてなしの面での活躍が期待される。

 

 今回修了した4人を含め、会員は30人となった。賛助会員は4人。昨年の台風により笛吹峠の通行止めが続いていることなどが影響し、橋野鉄鉱山を含めた市内の観光ガイド受け入れ実績は減っているというが、ラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催を見据えた観光客増加への対応のため、研修を強化し新人育成、個々のガイド力アップを進めていく。

 

(復興釜石新聞 2017年7月12日発行 第604号より)

 

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