“トラック野郎” 被災地へ意気なエール〜炊き出し、歌謡ショーで住民と交流


2017/07/03
復興釜石新聞アーカイブ #地域

震災から7年目。互いの絆を結び、復興への思いを新たにする全国哥麿会会員と平田第6仮設団地の住民

震災から7年目。互いの絆を結び、復興への思いを新たにする全国哥麿会会員と平田第6仮設団地の住民

 

 ”デコトラ”愛好者で組織する一般社団法人全国哥麿(うたまろ)会(田島順市会長、43支部、500人)の会員が25日、釜石市の平田第6仮設団地を訪れ、炊き出しや歌謡ショーで住民と交流した。米や野菜、日用品も届けられ、住民は大喜び。震災から6年が経過し被災地への関心が薄れていく中、いまだ仮設住宅での生活を余儀なくされている被災者に心を寄せる会員らに団地住民は深く感謝した。

 

平田の仮設団地で支援継続誓う

 

 東北の支部会員を中心に約40人が来釜。団地の屋外スペースに会場設営し、豚汁と焼きそば、冷たい飲み物を振る舞った。トラックの荷台をステージにした歌謡ショーでは、会の活動に賛同する歌手、西夕子さんが懐メロなどを聞かせ、親しみのあるトークで観客を笑いに包んだ。ジャンケンで勝ち残った人に自転車をプレゼントする企画も。会員は住民を楽しませようと奮闘し、会場にたくさんの笑顔を広げた。

 

全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

全国の支援者の善意が詰まった野菜を仕分ける会員ら

 

 同会は35年前から、自然災害に見舞われた地域に出向き、炊き出しなどで元気づける活動を展開。東日本大震災の被災地訪問は6年間継続し、各地の避難所、仮設住宅を訪れた数は50回にも及ぶ。平田第6仮設には2年ぶり2回目の訪問となった。

 

 会は年に3回、チャリティーイベントも開く。400~500台のデコトラが全国から集結し、愛好者とファンで多い時には1万人もの人が集まるイベントでは、被災者のためにと支援物資や支援金が寄せられるという。これら(支援金は会が物資に替えて)を仮設住宅訪問時に持参。今回は5月に静岡県で開いたイベントで託された物資を届けた。

 

 同団地に暮らす男性(74)は「忘れないで来てくれてうれしい。店が遠いので米や野菜をいただけるのもありがたい」と顔をほころばせた。森谷勲自治会長によると、最大で240世帯が入居した同団地は現在、120世帯ほどに半減。うち30世帯は行政やNPOの支援職員で、実質の被災者は100世帯を下回ると見られる。

 

 「仮設住宅で住民が少なくなってくると、取り残された感じがして精神的に厳しさを増す。仮設がある限りは、この活動を続けていく」と田島会長(69)。岩手・宮城内陸地震を経験している岩渕克志岩手支部長(50)=一関市=は、自身の被災と重ね沿岸住民の気持ちを推し量る。「今、仮設にいる人は高齢者が多い。少しでも生活が楽になるよう手助けできれば。イベントに出向いた一般の方の好意もしっかり届けたい」と気を引き締めた。

 

(復興釜石新聞 2017年6月28日発行 第600号より)

 

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