強い絆を心にお別れ会〜甲子第6仮設団地、苦楽を共に6年

2017/04/04|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

食事や歓談、歌やダンスを楽しみ、最後の思い出を作る住民ら

食事や歓談、歌やダンスを楽しみ、最後の思い出を作る住民ら

 

 釜石市甲子町松倉の新日鉄住金釜石サッカー場にある「甲子町第6仮設団地」(138戸)が仮設住宅の集約に伴い来月末で閉鎖されるのを前に、25日、住民や元住民らによるお別れ会が中妻公民館で開かれた。震災後の避難生活で苦楽を共にしてきた住民らは、団地で育んだ強い絆を心に刻み別れを惜しんだ。

 

 お別れ会は同団地自治会(佐々木忠会長)が企画し、約60人が出席。佐々木会長は「自宅再建や復興住宅への入居で空き室が目立つようになり、心寂しい思いがする。思い出を語り合い、楽しく過ごしてほしい」とあいさつした。

 

 同団地自治会は盆踊りやクリスマス会、温泉バスツアーなど各種交流活動で住民同士が顔を合わせる機会を増やし、日常の支え合いや孤立防止につなげてきた。会に出席した支援団体の代表からは積極的な住民活動をたたえる声が多く聞かれ、「団地で培った経験を新たな環境でも生かしてほしい」と激励の言葉が送られた。

 

 2011年7月に完成した同団地は全戸入居した時期もあるが、現在は30世帯ほどに減少。集約後は、近く完成する復興住宅に入居する人、土地造成を待って他の仮設住宅に移る人などそれぞれの一歩を踏み出す。

 

 地元浜町での自宅再建を目指す女性(80)は天神町仮設に移ることになり、「みんなと仲良く暮らしてきたので離れがたい。慣れない所に行くのもあって…」と寂しさをにじませた。昨年5月に集約で松倉の別の仮設から第6仮設に移った片倉賢佐さん(69)は「気さくに受け入れてもらい、ありがたかった。知り合った方々とは今後も交流を続けたい」とし、大町の復興住宅への入居に「新たな気持ちで第2の人生を歩む」と力を込めた。

 

 この日は自宅再建ですでに同団地を”卒業”した人たちも顔をそろえ、同窓会的な雰囲気も。野田町で暮らす佐々木健二さん(69)は「津波で妻を亡くし煮炊きするのも大変だったが、ご近所さんに助けられた。行事にも声がけをいただき、1人でいる時間が少なくて済んだ」と深く感謝。鵜住居町に暮らす前自治会長の幸﨑幸太郎さん(80)も「本当に住みやすい環境だった。皆さんが永住できる場所に早く移れるよう願う。ここでの出会いを忘れず長生きしよう」と仲間の幸せを祈った。

 

(復興釜石新聞 2017年3月29日発行 第575号より)

 

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