命の大切さ 伝え続けて6年、さいがいエフエム放送終了〜4月から「はまっこラジオ」へ

2017/04/03|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

最後の放送まで楽しみながら情報を伝えようと意気込むスタッフ

最後の放送まで楽しみながら情報を伝えようと意気込むスタッフ

 

 釜石市が開設するFMの臨時災害放送局「かまいしさいがいエフエム」が今月31日で放送を終了する。東日本大震災の1カ月後、2011年4月11日から放送を開始し6年。市からの復旧・復興に関するお知らせや生活情報などを伝えながら地域の復興を支えてきたが、市内では住まいの再建が進み始め、個別に情報を届けることができるようになったことなどから、市は年度末での終了を決めた。「伝えたい。身の安全、命を守るよう、避難の大切さを」。最後の3日間、4人のスタッフは震災や復興をめぐる思いを、役目を終えるその時まで発信する。

 

 同局は、11年1月に釜石支局を開設していたエフエム岩手(盛岡市)の協力を得て誕生した。市が運営し、復旧復興関連情報などを届けてきたが、14年4月から同社に運営を委託。「釜石やっぺしFM」「はまっこラジオ」の2番組を放送し、復興情報に加え、取材力を生かして地域情報も充実させた。16年4月からは「はまっこ~」のみを放送。生活再建に関する情報、イベント情報などを紹介している。

 

 スタッフは大坂美和支局長(45)、パーソナリティー兼音響担当の及川隆太郎さん(31)ら4人。13年4月からパーソナリティーを務める市川香織さん(45)は「情報を得る方法はさまざまあるが、ラジオを頼りにしてくれる人もいる。取り残される人がいないよう、身近に感じてもらえるように情報を伝えようと頑張ってきた。全くの素人だったがリスナー、仲間のおかげでここまで来られた」と振り返る。

 

 音響調整機材(ミキサー)を担当する野﨑広美さん(38)は鵜住居町出身。震災で実母、義父母、友人…大切な人を亡くした。気持ちが沈む中、夢中になれるものを探して見つけたのが、同局での仕事。11年11月にパーソナリティーとして採用されたが、伝える情報の多さにのどを痛めてしまい、音響担当に転向した。全くの素人だったが、「母の代わりに父を見守りたい」「そばにいる大事な人を守りたい」「命の大切さを伝えたい」との思いが力となり、声を電波に乗せるスタッフの1人として放送を続けた。

 

 最後の放送となる31日の午後4時からは、4人全員が参加する予定。「いつも通りにやっていこう」の合言葉のもと、これまでを振り返るほか、防災についての思い、緊急時の連絡先や情報入手に関するアドバイスなどを発信する。

 

 放送は、鈴子町のシープラザ釜石内のスタジオから午前11時~午後1時、午後4~5時の2回。周波数は86・0メガヘルツ(甲子、鵜住居、唐丹地区の一部は80・1メガヘルツ)。

 

 4月からは同社の周波数(79・2メガヘルツ)で、市が提供する新番組「釜石はまっこラジオ」がスタートする。放送時間は火曜日の正午から25分間。19年ラグビーワールドカップに向けた機運醸成を図るもので、市の臨時職員として番組作りに関わることを決めた野﨑さんは「釜石のおいしいところ、イベントをどんどん紹介し、人を呼びたい」と意気込んでいる。

 

(復興釜石新聞 2017年3月29日発行 第575号より)

 

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