負けない心、ダンスで表現〜駒幸夫さんプロデュース「三陸わらし」ミュージカル本格始動

2017/01/06|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

ミュージカル公演に向け精いっぱい努力することを誓う研究生ら

即興のダンスで気持ちを一つにし、ミュージカル公演に向け精いっぱい努力することを誓う研究生ら

 

 東日本大震災を経験した子どもたちが震災の真実や古里への思いを世界に発信するミュージカル「三陸わらし」が、3月の初公演に向け本格始動した。舞台は釜石市鵜住居町出身の三味線奏者、駒幸夫さんが発案、プロデュースする。26日の劇団発足報告会を皮切りに、来年1月7日から歌や演技、ダンスなどの稽古を開始。犠牲者の7回忌となる3月11日に釜石大観音境内で開く追悼イベントで、初披露する。

 

 劇団発足報告会は釜石市大町の青葉ビルで開かれ、オーディションに合格したメンバーと保護者、来賓ら約30人が出席した。野田武則市長は「三陸の多くの方に元気を与えるミュージカルを作っていただければ。皆さんの健闘を祈る」と激励。研究生となった小・中学生14人が自己紹介し、ダンスで意気込みを示した。

 

 ミュージカルは「3・11を忘れない東日本・三陸わらし世界への架け橋推進委員会」が主催。駒さんが制作プロデューサーを務め、長年にわたり釜石市民劇場を手がけてきた久保秀俊さんが演技や舞台作りを指導する。10月から3回のオーディションを行い、釜石市、大槌町、宮古市の小中高生15人を選抜。他にダンス専門の10人も確保した。

 

 駒さんが構想を練り脚本を制作。震災のこと、被災を乗り越え躍動する姿、友達との別れ、いつかは古里に戻りたいと願う心―。被災した子どもたちが抱いてきたさまざまな感情をセリフ、歌、ダンスで表現する。研究生は、元劇団四季メンバーの指導も受ける予定。釜石を代表する郷土芸能、虎舞と鹿踊りを地元団体から指導を受け、三味線演奏とともに舞台に盛り込む。

 

 甲子中3年の藤井朱羅さん(15)は「音楽やダンスに興味があり応募した。オーディションは緊張してしまったが、合格してびっくり。自分がやっている鹿踊りや津波のことなどを世界の人たちに伝えられるよう精いっぱい頑張りたい」と力を込める。

 

 3月11日の大観音での野外公演は、1時間余りの舞台を30分ほどにまとめて披露する。その後、英語での稽古を重ね、早ければ来夏にもニューヨーク公演を実現させたい考え。

 

 「釜石で頑張っている子どもたちの姿をミュージカルで見せることで、東北の魂を国内外に届けたい。月に2回はシープラザ釜石のステージで公開稽古もし、発信力を高めていく」と駒さん。このミュージカルを”自分の人生最後の大事業”と位置付け、三陸の子どもたちが世界の文化交流の架け橋となることを願う。「震災で古里を離れた子どもたちが、もう一度この地に目を向け、帰ってくるきっかけにもなれば。子どもたちの可能性を引き出し、長く続く舞台にしたい」と夢を広げた。

 

(復興釜石新聞 2016年12月31日発行 第551号より)

 

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