ラグビーW杯、釜石スタジアムの姿見える〜建設検討委で木製シートも、避難ルートの素案は3方向

2016/12/12|カテゴリー:復興釜石新聞 スポーツ

メーンスタンドのイメージ模型と木製シートのサンプルに見入る委員ら参加者

メーンスタンドのイメージ模型と木製シートのサンプルに見入る委員ら参加者

 

 2019年ラグビーワールド杯の会場となる「釜石鵜住居復興スタジアム」(仮称)の第2回建設検討委員会(小泉嘉明委員長、12委員)は2日、市役所で開かれ、基盤整備や実施設計の進ちょく状況、観客らの避難誘導計画、今後の整備日程が示され、委員、アドバイザーが意見交換した。メーンスタンドのデザイン模型が持ち込まれ、委員らは完成時のイメージを高めた。

 

 野田武則市長は「1万6千人から2万人の観客と、住民の避難行動が最大の懸案事項になる。国体が終了し、ワールド杯に専念したい」とあいさつした。

 

 同検討委員会は5月の初会合以来の開催。事務局がメーングラウンド、サブグラウンド、スタンドなど主要施設の整備計画を確認。大会を運営するW杯リミテッド(RWCL)の要求(メーンスタンドのひさしの拡充など7項目)と、対応案を示した。スタジアムに通じる観客、選手、スタッフの動線も提示。芝の準備では、9パターンを育成試験している。

 

 スタジアムとメーンスタンドのデザインは釜石の復興や、根浜・海につながる「はばたき、帆船」のイメージという。

 

 スタンドの常設6千席のシートに、木製のサンプルが持ち込まれた。地元産のスギ間伐材(合成材)を使い、サイズは幅と奥行きとも42センチ、背もたれの高さ24センチ。基盤に設置した時に金具で固定、強度を高める。座る部分は緩い凹面(おうめん)に加工した。防腐剤を塗布し、汚れへの耐性処理を加えると、7年ほどもつという。劣化したパーツ、1個全部の交換にも対応し、維持管理が容易になる―とした。

 

 アドバイザーからは、「木造建築は世界的に見直されている。木のぬくもりは、釜石らしさのアピールになる」など、好意的な見解が語られた。

 

 避難場所は標高20メートル以上を基準に、スタジアムからのルートは▽鎧坂(よろいざか)橋から、高台に建設中の学校まで▽東日本大震災時に児童・生徒が住民と共に避難した国道45号恋の峠まで▽南の林道を登り、建設中の箱崎半島線へ―の3方向を想定している。いずれも1キロから2キロの距離がある。

 

 検討課題は、シミュレーションすべき避難者が▽通常200人▽イベント6千人▽ワールド杯1万6千人―の規模別に3パターンが必要。「心理的な安心感を付与する目的で、山側避難路を整備する」などを挙げた。

 

 なお、当初事業費約31億9800万円はRWCLの要求を受け、増額が見込まれる。

 

(復興釜石新聞 2016年12月7日発行 第544号より)

 

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