波を乗り越え50回目の演奏会〜釜石市民吹奏楽団、観客と感動のステージ共有

2016/12/07|カテゴリー:復興釜石新聞 文化・教育

 練習から本番まで出演者が心を一つに取り組んだ演奏会

練習から本番まで出演者が心を一つに取り組んだ演奏会

 

 釜石市民吹奏楽団(村井大司団長)の第50回定期演奏会(市民芸術文化祭参加)は11月27日、釜石中体育館で開かれた。毎回、さまざまな趣向で吹奏楽の醍醐味(だいごみ)、心を震わせる音を届けてきた同演奏会。団員らはこれまで築いてきた釜石ブラスの誇りを胸に、感動の大演奏を繰り広げた。

 

 賛助出演を含む64人のメンバーが3部構成のステージを披露。1部は、今年の全日本吹奏楽コンクールの自由曲「リンコドンティプス~蒼き海の守り神」、同団が創立3年目に初めてコンクールに出場した時の自由曲で、現在放映中のテレビドラマ「カインとアベル」のオープニングにも使われている「交響曲第5番第4楽章」(ショスタコービッチ)などを演奏した。

 

 2部は4年目となった中学生との合同ステージ。今年も釜石中吹奏楽部が共演し、部員22人が団メンバーとの80人規模の大編成で演奏会を盛り上げた。3部は映画音楽やビートルズの名曲をさまざまな楽器のソロ、アンサンブルを織り交ぜ披露。吹奏楽ならではのアレンジが、聞き覚えのある曲に新たな世界観を広げた。

 
 
 アンコールを含め全12曲を演奏。観客から、素晴らしい演奏をたたえ感謝する大きな拍手が沸き起こった。宮古吹奏楽団で活動する盛合沙弥華さん(30)は「すごく上手ですよね。釜石は人数が多く大曲にも挑戦されている。私たちも来週、演奏会なので頑張りたい」と力をもらっていた。

 

 今回は2、3部の指揮を客員指揮者の細川正一さん(釜石高教諭、吹奏楽部顧問)が務めた。細川さんは山田高に赴任した20代のころ、吹奏楽部員を連れて度々釜石を訪れ、当時、東北大会出場を重ねていた市吹に指導を仰いだ。「一中、釜南高、市吹、新日鉄釜石と当時の釜石吹奏楽は東北、全国大会出場で盛り上がっていた。音楽への情熱に自分も圧倒された」と振り返り、「そんな中で活躍してきた団員が今もいて、その精神が脈々と受け継がれている。指揮をさせていただけて光栄」と胸を熱くした。

 

 釜石市民吹奏楽団は1978年に創立。初めての演奏会は80年3月に行った産声コンサートで、82年からは年2回の演奏会を開催し、96年まで14年間継続した。その後も年1回の演奏会を続け、今回が通算50回目となった。第1回の時は大学生だったという村井団長は「全ての演奏会がうまくいったわけではない。いろいろな波を乗り越えて来られたのは、団員の気力があったからこそ」と、積み重ねた三十数年に思いをはせた。

 

 同団は震災の津波で活動拠点だった市民文化会館が使えなくなり、被災後は旧大松小の音楽室を借りて練習を続けている。若者や30年ぶりの復帰者など新団員も徐々に増え、今年のコンクールでは11年ぶりに県大会で金賞を受賞。東北大会出場には届かなかったが、技術力アップにつながる確かな前進を見せた。村井団長は「少子化で学校吹奏楽部も少なくなっているが、音楽をやりたい子どもたちの希望になれたら」と今後の団活動へ気持ちを高めた。

 

(復興釜石新聞 2016年12月3日発行 第543号より)

 

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