釜石市と東京大学社会科学研究所、研究センター開設へ〜提言まとめ全国に発信、危機対応へ覚書締結

2016/11/24|カテゴリー:復興釜石新聞 防災・安全

覚書を取り交わす野田市長(左)と大沢所長(中)。震災の経験を将来に生かす研究を協働で進める

覚書を取り交わす野田市長(左)と大沢所長(中)。震災の経験を将来に生かす研究を協働で進める

 

 釜石市は東京大学社会科学研究所(東京都文京区、大沢眞理所長)と協働で災害などの危機に適切に対応するための方策を研究することにし、14日、危機対応研究センター開設に関する覚書を締結した。同研究所は震災前から釜石でさまざまな調査を続けており、その発展形として震災による津波の記憶継承と危機対応を将来に生かすための調査研究を実施。これを踏まえた提言をまとめて全国に発信する。

 

 締結式は釜石市役所で行われ、市側は野田武則市長、市議会の佐々木義昭議長ら、東京大側は大沢所長らが出席し、覚書を取り交わした。

 

 覚書によると、同日付で同研究所に危機対応研究センターを開設し、市は役所内にセンターの連絡拠点を設置。▽釜石を含めた三陸地域の震災対応に関する調査研究の実施▽調査研究の成果に基づく危機対応に対する提言▽セミナーや講演会の開催―などに協働で取り組む。期間は2020年3月末まで。センター長に同研究所の玄田有史教授、副センター長には中村尚史教授と市総合政策課の佐々木勝課長が就く予定となっている。

 

 同研究所は震災前の2006年から釜石で希望と社会の関係を考える「希望学」を研究。震災後の2012年からはまちづくりや産業の復興を支える人材づくりのため、教授らが講師となって市民向けの連続講座などを開いてきた。

 

 今回のセンター開設で、社会に発生するさまざまな危機のメカニズムと対応策を社会科学の観点から考察する「危機対応学」の研究が釜石で新たにスタート。大沢所長は「大学や研究機関がつくったものを単に渡すのでなく、地域に住む人と一緒に知識や知恵を生み出す『共創』を進めていきたい」と述べ、玄田教授は「危機が迫った時や予想外の事態が起こった時の行動など人に着目して調査研究し、問題の解決策を見いだしていければ。危機対応学は希望学の発展形と考え、震災後にいただいた釜石の経験や教訓などを地域の皆さんと掘り下げていきたい」と意欲を語った。

 

 野田市長は「連携を深めながら取り組み、釜石だけでなく三陸の復興につなげたい」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2016年11月19日発行 第539号より)

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