「昔とおんなじ味」と大喜び〜食堂喜楽、ごさいしょの里でラーメン振る舞う

2016/11/17|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

おいしそうにラーメンを食べるお年寄りを見守る店主の前川さん

おいしそうにラーメンを食べるお年寄りを見守る店主の前川さん

 

 釜石市鵜住居町のラーメン食堂「喜楽」(前川栄子店主)は7日、町内の高齢者介護施設「ございしょの里」(古川貞治社長)を慰問し、施設を利用するお年寄りらにラーメンを無料で振る舞った。

 

 昼食の時間に合わせて「喜楽」から前川店主ら4人が同施設を訪れ、厨房(ちゅうぼう)を借りて調理。グループホームに入居する18人とデイサービス利用者、職員の分も含めて41食を用意した。

 

 利用者らは、透き通ったスープに縮れ麺のどこか懐かしいしょうゆラーメンを一口食べると「うんめぇー」と第一声。「昔とおんなじ味だ」と大喜びで、スープも全部飲み干した。

 

 箱崎町の仮設住宅で暮らす小林和子さん(86)は足が弱くなっており、週3回のデイサービス利用で外出するのが楽しみになっているという。「昔、病院の帰りとかに食べに行った思い出の味。今はなかなか家から出られないので、来てくれてありがたい。おいしかった」と大感激。同施設の千葉節子さんは「飲食店に食べに行くのが大変な利用者のために食を提供しに来てもらって、皆さん大変喜んでいた」と感謝した。

 

 喜楽は震災前、鵜住居駅前にあったが震災の津波で被災。現在は旧釜石北高跡地にできた仮設商店街で営業している。ラーメンを振る舞う慰問活動は以前、市内の中華料理店などでつくる組合の活動で行っていたが、今回初めて店独自の取り組みとして実施。同施設の先代社長が同店に頻繁に足を運んでいたといい、感謝の気持ちを込めて企画した。

 

 阿部寿好(ひさよし)店長は「いつもとは違う厨房でも同じ仕事をする。いい経験になった。市内のほかの店では魚介だしが基本だが、うちは違うものを使い釜石では珍しい麺になっている。皆さんが懐かしんだ味を出し続けることに日々精進している」と意気込みを語る。「懐かしい味、おいしかったよ」と利用者から声を掛けられると、「どうりで若くなったもんね」と返して触れ合いも楽しんでいた。

 

 同店の営業は午前11時半~午後2時(ラストオーダー)で、月曜定休。世界遺産を訪れる観光客の利用があったことでレトロ車やバイク好きな人たちが集うようになり、今では日曜日の午後に座談会が行われるまでになっているという。「気軽に立ち寄ってみて」と阿部店長。震災に負けじと仮設店舗で変わらぬ味を提供し、交流の場としての役割も果たしている。

 

(復興釜石新聞 2016年11月12日発行 第537号より)

 

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