復興への峠を駆け上がれ、仙人マラソン810人完走〜北海道から四国までランナー集う、老若男女 紅葉路ひた走る

2016/11/07|カテゴリー:復興釜石新聞 スポーツ

参加した810人が完走した第7回仙人峠マラソン、峠コースのスタート=10月30日午前10時

参加した810人が完走した第7回仙人峠マラソン、峠コースのスタート=10月30日午前10時

 

 「復興への峠を駆け上がれ」をキャッチフレーズに、第7回かまいし仙人峠マラソン大会(実行委主催)は10月30日、釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所を発着点とする2コースで行われた。大会にはエントリーした917人のうち810人が参加。冬の到来間近を告げる寒風が吹き付ける中、国道283号仙人トンネルまでを往復する峠コース(17・2キロ)で511人(男性459人、女性52人)、甲子町大松地区で折り返す10キロコースでは299人(男性239人、女性60人)が色づいた紅葉をバックにひた走り、全員がゴールまで完走した。

 

 開会式では、最も遠方から参加した高知市の会社員、海地功さん(57)が「すばらしい紅葉を楽しみながら、無理をせず、諦めないで完走したい」と選手宣誓。午前10時に峠コース、10分後には10キロコースのランナーが一斉に仙人峠路に飛び出した。

 

「無理をせず諦めないで」と選手宣誓する海地さん

「無理をせず諦めないで」と選手宣誓する海地さん

 

 ここから坂道が急になる峠コースの10キロ地点。甲子町の桝沢弥生さん(38)と大輝君(6)、中妻町の前川奈津江さん(45)と航紳君(双葉小2年)親子は、同級生同士で仲良く力走する夫、桝沢俊行さん(39)と前川靖展さん(39)に「がんばれー」と大きな声でエールを送った。2人はいずれも、ゴール地点に回って待っていた息子と手をつなぎながらゴールイン。親子で完走の喜びを味わった。

 

峠コース10キロ地点で声援を送る家族ら

峠コース10キロ地点で声援を送る家族ら

 

 ゲストランナーには、1991年の東京国際マラソンなどで優勝した谷川真理さんと、谷川さんの教え子で今年の北海道マラソンを制した吉田香織さんが参加。沿道に詰めかけた多くの市民の声援に応え、手を振りながら、さわやかな笑顔で峠路を駆け抜けた。

 

「最高の気分」と手を振りながらゴールに入る谷川真理さん

「最高の気分」と手を振りながらゴールに入る谷川真理さん

 

 大会は、主会場の旧鉱山事務所の改修工事のため昨年は中止され、2年ぶりの開催。1年のブランクはあったものの、今回も北は北海道から南は四国まで全国からランナーが集った。選手への給水係など、甲子中生35人、甲子地区の住民70人を含む約350人がボランティアとして大会を支えた。

 

10分遅れでスタートした10キロコースのランナー

10分遅れでスタートした10キロコースのランナー

 

 大会を主管する釜石市体育協会の下村恵寿事務局長は「昨年は中止せざるを得なかったが、大会を再開してほしいとの連絡を全国からいただき感激した。復興はまだ道半ば。被災地を勇気づける大会を今後も継続したい」と意を新たにしていた。

 

峠コースの10キロ地点。ここから仙人トンネルに向け、さらに坂道が急になる

峠コースの10キロ地点。ここから仙人トンネルに向け、さらに坂道が急になる

 

ゲスト谷川真里さん「鳥になった気分」

 

 「チョー、気持ち良かった。峠道はそこそこきつかったけど、山々の紅葉がすばらしく、最後は鳥になった気持ちで走れました」と谷川真理さん。10キロコースのみの参加を予定していたが、気分が乗ったのか、結局17・2キロの峠コースを完走した。

 

 第3回大会にゲストランナーとして参加し、今夏のリオデジャネイロ五輪のマラソンにも出場したタレント猫ひろしさんの推薦を受け、無償でゲストランナーを引き受けたという。 「猫さんが『すばらしい大会』と言っていた意味が分かりました。地元の人たちの温かさが伝わってきて」と谷川さん。

 

「復興のお役に立てれば」富士フィルター工業 韓国の合併会社も

 

 東京都中央区の富士フィルター工業(汐見千佳社長)からは、韓国蔚山市にある合弁会社の社員7人を含む男女21人がエントリー。峠コースの17・2キロを全員完走した。

 

韓国の合弁会社を含め21人が参加した富士フィルター工業のメンバー

韓国の合弁会社を含め21人が参加した富士フィルター工業のメンバー

 

 トライアスロンを趣味にする汐見社長(44)と、釜石で「菜の花プロジェクト」を立ち上げ復興支援活動に取り組む山田周生さんとのつながりから、3大会前から仙人峠マラソンに会社ぐるみで参加。汐見社長は40歳以上女子の部でこれまで2位、6位と上位に入り、今回も4位に食い込んだ。

 

かわいい甲子柿の帽子をかぶり、笑顔でゴールに入る女子ランナー

かわいい甲子柿の帽子をかぶり、笑顔でゴールに入る女子ランナー

 

 「製造しているフィルターで直接お手伝いはできないが、被災地で買い物をし、こうして走ることで復興のお役に立てば」と汐見社長。今後も毎年、同大会への参加を続けたいという。

 

 韓国事業所のI・Bシム社長(53)は「韓国で地震はめったになく、宿泊するホテルの2階まで津波が来たと聞き驚いた。被災地をテレビと見るのと、実際に見るのとでは随分と違う」と認識を新たにしていた。

 

(復興釜石新聞 2016年11月2日発行 第534号より)

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