新みこし、2年目の渡御〜鵜住神社祭典、まちの復興へ心ひとつに

2016/09/26|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

降りしきる雨の中、日向グラウンド内を練り歩く鵜住神社のみこし=18日昼前

降りしきる雨の中、日向グラウンド内を練り歩く鵜住神社のみこし=18日昼前

 

 釜石市鵜住居町の鵜住神社(花輪宗嗣宮司)のみこし渡御祭が18日行われ、約500人の祭り行列が震災復興を目指す地域に活気をもたらした。昨年、津波で流されたみこしを全国からの支援で新調。祭りのシンボル復活2年目の渡御を地域住民らが喜び、雨に負けず熱演する郷土芸能団体に盛んな拍手を送った。

 

 同神社祭典実行委(前川義博委員長)主催の祭りは16日に宵宮祭、17日に例大祭を行い、18日にみこしが町内に繰り出した。復興工事の関係で国道45号の渡御は見送ったが、車両でみこしを運び、神ノ沢地区仮設企業団地(旧釜石北高跡地)内の御旅所で、神事と芸能の奉納を行った。

 

 50年以上続く「新神大黒舞」は、町民から提供された詩に曲と振りを付けた「新神甚句」を初披露。メンバーの小澤厚子さん(68)は「地区の財産になる。みんなで守り伝えていきたい」と伝承へ意欲を見せた。

 

 近くに住む岩鼻トモエさん(81)は「みこしが来てくれてありがたい。孫たちも鹿踊りに出ているので、雨でも見たいと思ってね」と笑顔を広げた。

 

 祭り行列は、旧国道の長内橋付近から出発し、日向橋を渡って御旅所の日向グラウンドまでの道のりを進んだ。沿道では住民らが出迎え、みこしに手を合わせた。

 

 同神社と、同じ敷地内に祭られる古峯神社のみこしは震災の津波で損壊。2012、13年には東京、京都の自治会組織などから子どもみこしの寄贈を受け、うち1基を古峯神社の新みこしに据えた。昨年は、全国からの寄付や日本財団の支援で、本みこし復活にこぎつけている。

 

 3基のみこしは地元在住、出身者のほか、鵜住居の復興工事関係者らの協力で担がれている。今年も大林JVなどから24人が協力。初参加のUR都市機構釜石事務所の黒田潤貴さん(28)は「地元の方も祭りを頑張っている。願いに応えられるよう私たちも一日も早く復興させたい」と共に歩む姿勢を見せた。

 

 雨脚が強まる中、グラウンドで虎舞、鹿踊り、手踊りの参加7団体が祭りへの心意気を示す舞を見せ、悪天候を吹き飛ばす元気を住民に届けた。被災3県のドキュメンタリー映画の撮影で訪れた尹美亜監督(41)は「幅広い世代が参加し、生活の中で受け継がれてきた祭りだと感じる。映画で復興6年目の住民の姿を伝えたい」と思いを込めた。

 

仮設企業団地で舞を奉納する神の沢鹿踊

仮設企業団地で舞を奉納する神の沢鹿踊

 

 鵜住神社の祭りは被災から立ち上がる原動力を生み出し、まちの復興を支え続けている。二本松富太郎総代長は「鵜住居の住民は祭りで気持ちを一つにしてきた。来年は、境内へ続く石階段の拡幅を含む参道整備が完了する見込み。一の鳥居も建て、神社全てを復興させて祭りを迎えたい」と願った。

 

 花輪宮司は「祭りは、震災で離れ離れになった住民同士が年に1回、顔を見て安心する場にもなっている。力を合わせてくれる関係者に感謝。みんなで復興していく気持ちをさらに強めたような気がする」と話した。

 

(復興釜石新聞 2016年9月21日発行 第522号より)

 

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